2015年9月7日月曜日

2015年7月28~31.8/1 裏銀座縦走+雲ノ平.高天原4泊5日(1日目)【北アルプス】



7月の終わりの、ちょっと早めの夏休み。
この夏はどうしても2泊以上の山旅がしたくて、色々とルートを考察した結果“裏銀座縦走”へ。
2泊以上っていうか、結果的に4泊5日と予定以上の山旅になったわけだけど....笑

裏銀座縦走ルートは、烏帽子岳の登山口となる高瀬ダムからブナ立尾根を上がって
烏帽子岳--三ツ岳--野口五郎岳--水晶岳--鷲羽岳--三俣蓮華岳--双六岳--樅沢岳--槍ヶ岳をゴールとした、基本コースタイムでいえば3泊4日の縦走ルートです。

..........あれ、でも4泊5日って言ったじゃんって思ったでしょ。
ほら、わたし欲張りだもん。
ちょっと足をのばせば雲ノ平に行けるし、雲ノ平まで行ったら高天原温泉に行きたくなるでしょ。
ってことで、1日追加して雲ノ平経由で高天原温泉もめぐる事にしたのです。
この欲張りルート...今思い返しただけでも鼻血がでそうなほどの充実度。
ほら、すでにみんなも行きたくなったでしょ?笑

さぁ、ねずみの夏休みのはじまりです!
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pm22:00 毎日新聞社ロビー
竹橋駅の毎日新聞社前から毎日アルペン号に乗って七倉まで。

今回の出発地点となる高瀬ダムまでは、七倉からマイカー規制のため、七倉ダム(七倉山荘前)からタクシーまたは徒歩で約2時間歩きます。
(※タクシーの場合は高瀬ダムまで2200円/20分)

ここに来るといつもフリーペーパー“山歩みち”をもらっています。
とっても充実した内容で面白いのです。
アウトドアショップに置いてあるそうなのですが店頭にでるとすぐに無くなる人気ぶりらしく...!
なぜか毎日新聞社さんだと毎回Getできるのです。
(現在はWeb版もあるみたいですよ。)

am4:10 七倉ダム(七倉山荘前)

休憩を取りながらバスに揺られること約6時間。
予定より20分ほど早めに到着。
そしてどしゃ降りの雨が降っています...暗闇の中、山荘の玄関前で雨宿り中です。

七倉ダムのゲートが開いて、タクシーが通れるようになるのはこの時期だとam5:30。
夜行バスで来た場合は1時間はここで待機する事になります。
トイレもちゃんとあるのでゆっくり準備できると思えばまぁいっか。

だんだん明るくなってきたので周りを偵察。
前に見えるのが高瀬ダムへのトンネル。
灯りが付いているのが登山届のポストと遭対協の方が常駐しているところ。
その右横がとってもきれいなトイレ。

付いた時にはどしゃ降りだった雨も、この頃にはポツポツ程度。
この日の午前中は雨だろうなぁと腹をくくっていたのでそんなにテンションは下がらず。
逆に、あと20分ほどで山旅がついにスタートするのかと思うと、楽しみでわくわくして気持ちが高ぶっていました。

七倉山荘前のタクシー乗り場。

ここでは荷物を置いて順番取りをします。
(※事前にタクシーを予約しようと電話をしたら、「シーズン中は予約はしていないので付いた順でザック等を置いておいてください。」と言われました。ゲートが開く5:30には3、4台が到着するそうです。)
4:15に七倉に付いたわたしは、暗闇の中ヘッデンで乗り場を探し場所取り。
雨だったのでザックを置くのが嫌でナルゲンボトルを置いておきました。笑

バス内で隣になった女の子と相乗りをして高瀬ダムへ。
運転手さんがとっても親切丁寧に周辺のガイドをしてくれて、しかも1人1000円でいいよ〜っておまけもしてくれました。
なんて幸先のいいスタート!.......でも、また雨が降ってきました〜。


ダム湖の上で出発の最終準備。
今回の山旅の行程を書いておきます。

1day 高瀬ダム--烏帽子岳(⇔)--三ツ岳--野口五郎小屋
2day 野口五郎岳--水晶岳(⇔)--ワリモ分岐--祖父岳--雲ノ平--高天原温泉
3day 高天原温泉--岩苔乗越--鷲羽岳--三俣山荘--三俣蓮華岳--双六岳--双六小屋
4day 双六小屋--西鎌尾根--槍ヶ岳--大喰岳--中岳--南岳--南岳小屋
5day 南岳--天狗原--槍沢〜上高地
※(⇔はピストンの意)

裏銀座を全部縦走するのなら、2日目のワリモ分岐から3日目の鷲羽岳に飛んで槍ヶ岳まで行けばOK。
今回わたしはせっかくだからと祖父岳--雲ノ平--高天原温泉と、槍ヶ岳から中岳--南岳を追加しました。

地図上のコースタイムだと、1番長く歩くのが2日目で11時間ちょっと。
5日間を平均すると1日約9時間ほど歩く感じです。
実際はそんなにかからなかったけど、いつもの山あるきよりは長めである事に違いはなく。
こんなに長く5日間も歩けるのかなぁ?と少し不安でもありました。
でも不安よりも、自分の足で歩いて、自分の目で見て、山のにおいや空気とか五感で感じたかったし、長く山に溶け込んでみたいっていう好奇心の方が断然強かった!

今回の4泊5日はテント背負って歩く自信がなかったので小屋泊です。
ちょっとでも節約のため全部素泊まりで。
なので予備食を入れて6日分の食料と行動食、それから裏銀座には水場がないので初日は多めに4Lの水を準備しました。
万が一のビバーク用のツェルトも準備して、もろもろで約15kgくらいでした。
もっと軽くできるのは承知なんだけど、食料...特に嗜好品が少なくできないんだよねぇ...。
1日ごとのご褒美スイーツと称したものが1つ1つ重たいのと、毎日のおつまみにと柿の種とナッツ類とチーかまを10本。大好物の行動食のクリフバーが10個。
小屋で出会ったみんなと食べるかも!とか考えだしたらおやつが増える一方。
(結局クリフバーは5個しか消費しなかったし、チーかまも2本しか食べてない。笑)

食料計画云々は今後の課題として、とりあえず出発です!
ついにはじまる今年の大冒険!!

高瀬ダムからトンネルをひとつ通ったら、吊り橋を渡って濁沢橋へ。

前を歩くのは、ここからブナ立尾根のNo.12まで一緒に歩いたソロ女子のIさん。
「去年、太郎平で会った遭対協のお兄さんが目の覚めるようなイケメンだった!彼に会うためにまた行ってもいいくらい......♡」と嬉々として教えてくれたので、いつか行ってみたいなと思いました。
目の覚めるくらいのイケメンって相当だよなぁ。

そんな女子トークに花を咲かせていたら、雨が強まってきました。
すでに顔がびしゃびしゃ...だけどもうすぐ樹林帯に入って雨も遮られることだし...と着ないまま進みます。
正面の滝は水量が増し増しですごい轟音です。

am6:30 ブナ立尾根のスタート地点、No.12。

ブナ立尾根は北アルプスの3大急登のひとつ。
スタートをNo.12、終点の烏帽子小屋をNo.0としたカウントダウン方式。
地図上コースタイムで約5時間20分ひたすら登ります。

No.12からすぐのところにある細い沢から水を汲めますよ。
これ以降は三俣山荘まで天然の水はありませんのでご注意ください。
(小屋で1L/200円で買えます)
※途中の雪融け水はクマがフンをしているため、大腸菌が混じっている可能性が高いので飲んだらダメだと小屋の方・遭対協の方が言っていました!※

最初は鉄階段を登って行く。
しょっぱなから急な登りがスタートしますので、高瀬ダム〜No.12までの約20分で足慣らしをしっかりしておきましょう〜

この日、ここから入山したのはわたしが見た限りでは7人。
お盆前だし火曜日だしってことで少ないだろうなぁとは思っていたけれど、予想よりはるかに少なかったなぁ。
裏銀座って名のつく縦走路だから、表銀座ばりの人気なのかと思ってた。
裏銀座は距離も長いし、その周辺の山々がひとつひとつ奥深いところにあるから、まとまった休みが取れないと中々行けないもんね。
烏帽子〜槍ヶ岳ってルートで正規ルート通しで行く人はもしかしたら少なくて、黒部五郎岳や薬師岳のほうに途中で抜けたり、槍の手前の双六岳から新穂高に抜けちゃう人が多いのかもしれないね。

もくもくと樹林の急登を進んで行く。
雨にぬれたマルバタケブキはちょっとさみしげ。
霧でしっとり霞んだ森の中で、この黄色い花は目を引く存在でした。

ソバナはたわわに花を咲かせて、雨の雫が落ちるたびに鐘を鳴らすように揺れていました。
晴れてる日のお花はもちろん綺麗だけど、雨の中のお花達はお上品な印象。

トラノオは種類が多すぎてわたしにはどれがどれかわからない。笑
でもトラノオだろうなって事はわかるから、それでいい!
尻尾みたいで好きなお花です。

am7:00
急坂の森の中を、お花たちに癒されながらNo.9まで登ってきました。
No.12から30分なので1区間は大体10〜15分くらいって感じでしょうか。
ひとりだとついペースが上がり気味になってしまうので、ざっくり1区間20分前後と決めてペース配分する事にしました。

No.9を過ぎたあたりから雨が止み、時々青空も見えるようになってきました!
これはかなり嬉しくてテンションが上がります。
まだ山の位置関係がわかっていないので、向こうに見える山がなんなのか不明でした。

そして8時を過ぎると、ぴっかぴかの夏の空に!
うれしー!!嬉しいけどすっごく暑い〜
ここから汗がダラダラと滝のように流れ、水もたくさん飲むようになりました。

爽やかな空の色、いつの間にか雲の上。
とにかく暑くて、一歩が重たく感じるようになってきた。
まずい!熱バテする〜!!
熱中症対策のために多めに持ってきたハチミツ塩飴を口にぽいっと入れて、水を口に含んでゆっくり溶かしながら舐める。
あましょぱうまくて元気が出ます!

隣に見えていた稜線と目の高さが同じになってきたなぁ〜と思っていたら、樹々の間からひょっこりとんがり。
最初のピーク烏帽子岳を捉えました!!
ぬぬ.....しかしまだ距離がありそうだ。
見えてからが長いっていうのは山あるあるの上位ランカーですね。

それを確定するかのように、まだわたしは背の高い樹々の森に囲まれてる。
ここはまだ2200mで森林限界の標高にすら至ってない。
.....というか烏帽子小屋が2500m地点だから、そこまで行かなきゃ森林限界を突破しないのかい。

烏帽子岳から続く、船窪岳への稜線は崩壊が進んでいて見てるだけでヒヤヒヤ。
船窪小屋がとっても素敵だよーって話をよく聞くので、いつか泊まってみたいなぁ。
野草の天ぷらが夕食にでるんだっていうから絶対行きたい!

天ぷらのことを考えていたら、あっという間にNo.2!
今日泊まる野口五郎小屋の夕食にも天ぷらがでるんだって.....でもわたし素泊まり。
天ぷら〜天ぷら、食べたいなぁ〜!!

am9:35 
もう天ぷらで頭がいっぱいのNo.1!
あともうひと頑張りだね。
ここにきてやっと周りの樹木が減って、風通しが良くなってきた〜

雨に洗われた綺麗な空。
雲の上に雲があって、いろんな形をしてる。
はー.....気持ちいい風。烏帽子小屋までもうすぐだけど、涼しくてここでちょっと休んじゃお。
天ぷらのことはちょっと置いといて、今は頭と心と体を山の空気でいっぱいに満たそう。

左に視線を移せば、あれ、烏帽子岳のピークってこんなだったっけ?なピーク。
これは烏帽子岳のひとつ前にある“ニセ烏帽子岳”。
これを登った向こう側に、本当の烏帽子岳があるのです。
なんだかちょっとかわいそうな名前。

N0.1から小屋まではフラット。
1300mの標高差を一気に登ってきた足もやっと少し休めるね、おつかれさまっ!

am9:35(No.12から3時間5分) ついにNo.0の烏帽子小屋に到着〜!!

ブナ立尾根の地図上のコースタイムはゆっくりめに設定されているのかもしれません。
樹林で見所もお花以外に特になく、もくもくと登ったっていうのもありますが、重めの荷物のわたしでも3時間ちょっとだったので早い人は3時間かからないんじゃないかなぁ。
ゆっくりめに登っても4時間が平均かなぁと感じました。

小屋に付いたとき、まだハイカーさんはひとりもおらず。
いつの間にか1番前を歩いていたみたい。

am10:10 烏帽子小屋でフルーツジュースを飲みながら休憩中。

これから歩く予定の稜線はギリギリのラインで雲がばっちり乗ってる。
もう20mほど上に上がっていただけませんかね...。

それでもはじめて目にする裏銀座の山達に、わたしは大興奮でした。
まだまだ旅ははじまったばかりでこれから何日も山を歩けるんだとやっと実感できて、ふつふつと胸が熱くなる。

まずは烏帽子岳をピストンしに行こう!
小屋の前に荷物を置かせてもらって、アタックザックに水と行動食、防寒着を詰めてレッツゴー!

誰もいない烏帽子岳の稜線、ひとりじめ。
白砂と花崗岩のあるこの雰囲気....なんだか燕を思い出します。

おやおや、烏帽子岳に向かう頃から雲が多くなり空も暗くなってきましたよ。
上空の風が強いから、雲がぴゅーぴゅー流れて青空もまだなんとか持ちこたえそうだけど......
あと2時間も持たなそうです。

コマクサもまだ咲いていました。
烏帽子小屋--烏帽子岳と、烏帽子小屋--三ツ岳の間にはコマクサがたくさん咲いていました。
風でぷるるんと揺れててかわいいったらない。
コマクサは花よりも葉っぱが好きです。


ちょっと待って、雲たちよ。
そっちはこれからわたしが歩くところなので、それ以上の侵略はおやめください。
※1人なので三脚を活用してますが、どうにもこうにもポンコツ。


ニセ烏帽子岳からすこし行ったところから本当の烏帽子岳〜!
オベリスクみたいだね。
山頂まではハイマツのトンネルを抜けたのち、後ろ側を回り込むような感じで岩を登って行きます。

右側にはスタート地点のダム湖が見える。
エメラルドグリーンが目を引くねぇ。

山頂までの岩場には鎖が付いてるからとっても安心〜!

お!

am10:45 
エラそうなヤギ太郎と一緒に、烏帽子岳のピークに着きました!

烏帽子岳/2628m
北アルプス中部に位置し、花崗岩と白砂の広がるビーチ的なトレイルの先に空を突くようなオベリスクが特徴的な山。
その尖った山容が烏帽子に似ているので、この名前がつきました。
裏銀座縦走ルートの始点で、ここから南に向かって槍ヶ岳を目指して歩いて行きます。
烏帽子岳から船窪岳を越え、北へ進めば後立山連峰に繋がります。

あちゃー.....まっちろ。
15分くらい待ってみたけど、ガスが取れてくれなそうだったので小屋に戻ります。
次に来るときは船窪岳と合わせてくるからその時は晴れでよろしくね!

ぽてぽて戻り中。
あらら、これからのルートもまっしろだぞ〜

am11:30
小屋前に戻ってきてちょっと休憩。
この頃には他のハイカーさん達も続々と到着していました。
小屋の前にはリンドウがたくさん咲いていて、みなさん小屋内のテーブルじゃなくて外のベンチでお昼ごはんを食べていました。
リンドウ達は手入れもしっかりされていて綺麗だったなぁ。

pm12:00
ちゃちゃっとクリフバーを齧って、野口五郎小屋を目指して出発です。
まずは三ツ岳まで。
わわわ、見事に歩くところにガスがもうもうと...

そしてここから先に進むのはこの時わたしだけだったので、ここから野口五郎小屋までひとりじめで歩きました。
これが晴れだったらもっと最高だったのになぁ〜。
でもせっかくだからとことん堪能するぞー!

基本は危険箇所もなく、とてもとても歩きやすいトレイルなのですが。

こんな感じに尖った岩が突出している所が続いたりして歩きにくいところもあったり。
たまに膝を強打して悶えたり。

雨が降るような気配やにおいはないので、ちょっと気がほぐれていたけど....
ガスが段々と濃くなってきました。
霞んで見える向こうの山が三ツ岳なのかなぁ...

視界が悪すぎる.....
この状態で前からハイカーさんが出てきたらびっくりしちゃうね。笑

ルートはしっかりしているから迷うような心配もなく。
ただひとりぼっち感が強調されて、さっきまで全然大丈夫だったのにガサっと音が聞こえたような気がしただけで、『くまっ?!』とビビる。
熊鈴だけじゃ心配になったので、口にホイッスル。
熊鈴&ホイッスルで森のくまさんを演奏開始。

風も強くなってきて、汗でぬれたからだが冷える。
防寒着を着たついでにニュっと突き出た岩陰で風を避けながらひとやすみ。

寒さに負けないようにエネルギー補給!
300gもある巨大チョコバナナマフィンをもぐもぐ頬張る。
甘ったるいくらいがさみしくなった心にはちょうどよくて、元気がでてきた!

pm13:20
お花畑コースと展望コースの分岐に到着しました。
いつの間にか三ツ岳を通過していたみたい。
地図で見ると三ツ岳のピークはルートからちょっと外れてるから、どこかで見落としたんだね。

この分岐、このガスガスの状態では選択肢は一択でしょう。
もちろん“お花畑コース”で。

むむ...

チングルマの綿毛。
花が咲いてる姿と、綿毛の姿は全く違うのが面白い。
これをわたしは“スッピン現象”と呼んでいます。

足元にはハクサンイチゲ。
お花畑コースだもん、君たちには楽しませてもらいますよ〜

ふっと顔を上げたらイチゲ畑が広がってて、さっきまでのガスが取れてきた!
こんな優しくて穏やかな表情だったんだね。
青空の下でここを歩くことができたら、心休まるとっても気持ち良さそうなトレイルなんだろなぁ。

ガスが取れたりかかったり...風が強いからなかなか安定しません。

山肌にまだ残る雪が融けて、こんこんと流れて行く雪解け水。
おいしそうだなぁ....煮沸しないでそのまま飲んでも大丈夫かなぁ....
って少し不安があったので、飲まずに手だけ水につけてヒンヤリさっぱり!
※ここのはクマのフンから大腸菌が混じってる可能性があるので飲まない方がいいと小屋スタッフ&遭対協の方が言っていました※

汗と砂でベトついた手がスッキリしただけで、体も軽くなったような感じがします^^
流れる水の音も耳に心地よくて、癒される〜

pm13:40
先ほどの雪解けポイントからほどなくして、はじめて人と出会いました。
話をしているうちに遭対協の方だと知り、ピンときたわたし。

ちゅ『野口五郎小屋からですか?先週友人が2人、野口五郎小屋に泊まってたんです。』

「あ!じゃぁあなたは...あれだ....ちょ...ちょ..ちゅ......何だっけ、あだ名ありましたよね?」

ちゅ『ちゅーたです!』

遭「それだ!うん、2人が言ってたよ、ちゅーたって女の子がくるからよろしくって。早く小屋に行った方がいいよ、いい事あるからさ。」

先週、山仲間のリン兄とタチ子ちゃんが高瀬ダムから野口五郎岳に入山していて、メールでルートや小屋のみんなのことを聞いていたわたし。
その中に遭対協たくちゃんの事も書いてあったのです。
小屋に行ったら会えるかな〜と思っていたけど、ここで会うとは。
しかも分岐で五分五分のところで。
会えてよかった〜^^

2人と少しお話をして、再び野口五郎小屋へと足を進めます。
たくちゃんも「3時には着いちゃうよ。」と言ってくれたので、あともうひと頑張り!

展望コースとお花畑コースが合流したところから先は、大きな石がゴーロゴロ。
ごーろごろ、ゴーロゴロ、ゴロ、ゴロー、五郎!!
野口は大町市にある集落の名前から。
2つ会わせて野口五郎岳〜!!
※歌手の野口五郎さんはこの山から名前を取ったそうですよ。

ガスってても曇っていてもこの美しい白い背中。
絶対晴れた時に再訪する!

そしてはじまる小屋までのカウントダウン、あと400m!!

ゴロゴロ五郎な石を踏みしめて、時にぴょこぴょこ飛び跳ねて。
五郎って名前だけど、白い背中と穏やかな稜線が長く続くとても女性的な山です。


どこまでいっても緩やかな稜線が続く。
野口五郎小屋はどこだ〜!

あっ!!

pm14:45 とっても好みな小屋だ〜♡

6時30分にブナ立尾根をスタートして、強風に煽られガスに飲まれ、多めの休憩を取りながらながら8時間15分かけて到着しました〜!
予定では16時に着けばいっかなーなんて思っていたので、小屋でゆっくりする時間が増えて嬉しいなぁ。

野口五郎小屋は家族経営。
このThe★山小屋!って雰囲気と、だだ漏れなアットホーム感がたまらなく愛おしい。
おしゃれな小屋もいいけど、わたしは昔ながらの温かみのある山小屋が好きです。

早速受付をしに、中へ。
「おつかれさま〜いらっしゃーい!」と小屋のお母さんと息子のふーちゃんが出迎えてくれました。
名前を記入していると、「あ、ちゅーたさん!良くきたね、先週泊まった2人から預かってるものがあるんだよ〜!」と、ふーちゃんが渡してくれたのは.......

先週ここに泊まっていた、リン兄とタチ子ちゃんからの置き土産でした。
そうだ、さっきたくちゃんが“小屋でいい事がある”って言ってたのはコレだったのか!

2人はわたしが高瀬ダムから裏銀座を歩いて高天原温泉にヨリミチする話を聞いて、「羨ましいから俺らも行っちゃおうかなぁ〜」とわたしが歩く前の週に高天原を目指して入山。
残念ながら2人は爆裂爆風の為、高天原温泉には行けずだったんだけど....。

まさか、こんなスペシャルな置き土産をしてくれていたなんて。
驚きと嬉しさとで言葉にならないほど幸せな気持ちになりました。
初日から雨と風と、ガスで視界が悪い稜線をひとりぼっちで歩いてちょっとさみしくなっていたから、このサプライズは本当に嬉しくて、わたしをフルパワーにしてくれました。
リン兄とタチ子ちゃんは、いつもわたしに元気をくれる!
ほんとにありがとう!

野口五郎小屋は2階建て。
突き当たりのトイレは、においもなくてすごく快適。

ふーちゃんが、「今日は5人しか泊まらないから好きなところ使っていいよ〜」って言ってくれたから、1階のちょっと大きめの部屋を使わせてもらうことにしました。
この日は各グループごとに個室だったから、わたしもここをひとりで占拠。
それにしても掛け布団が羽毛布団なのは嬉しかったなぁ。
軽くてふわふわ〜!!

さて、ひとやすみしましょ。

早速置き土産の中身をごそごそ。
朝バナナと、苺ポッキーとおつかれビール!ビール!!!!!
メロンとレモネードは小屋のみんなからいただきました^^
小屋のみんなと、同じテーブルをかこんでいただいたメロンやおせんべいをぱくぱく食べる。
まだ会って数十分なのにこんなにわたしを受入れてくれるみなさん、なんて温かくて心地いいんだろう。
すでに親戚のおうちに遊びに来たような気分になって、思いっきりのびのびしちゃいました。笑
あったかくて甘いレモネードは冷えた体に染み込んだ〜♡

小屋のみんなが夕食の支度に取りかかるので、わたしはビール片手に外を散策することに。
正面に見えるピークが野口五郎岳の山頂。
向こうに見える稜線は表銀座縦走路だね。

7月末で夏真っ盛りな時期だけど、山の上はやっぱり冷える。
16時を過ぎたあたりから冷え込みはじめて、薄手のフリースを1枚着ないと寒い。

表銀座の山たち。
うーん、まだ雲が多いなぁ...
今年の6月のはじめに燕岳に行った時に燕山荘から見える大展望は、野口五郎岳など裏銀座の山たちなんだよね。
はじめて燕岳に行ったのは去年の事だけど、あの時に見て大感動したんだよなぁ。
そんな場所に今いるだなんて本当に幸せで不思議な気分。

明日はスッキリ晴れ渡った表銀座のみなさんを見れたらいいな。
小屋のお父さんも、「ここから燕山荘の赤い屋根が見えるんだよ。」って言ってたから。

小屋の外でぼーっとすること1時間、体が冷えた。さむさむー
そろそろ夕食の時間だから、わたしも自炊の準備をしなくちゃ。

そうだ、今回は4泊5日ということで服をどうしようかなーと悩みました。
結果、途中の着替えとしてシャツ1枚と下着1セット、靴下2つをパッキング。
それと今回新しく導入したのが“小屋着”と称したリラックスウェア。
行動中は何日も着たクサクサ服でいいけれど、小屋では臭いから解放されてまったりだらーっとしたい。
わたしが小屋着として選んだのは、薄手のコットンのTシャツとコットンのロングスカート。
肌触りとっても大事!
ロングスカートはこれをはいたままタイツやズボンの着替えもできるのでおすすめです。
相部屋で男性がいても気にする事なく部屋で着替えられますよ。

ちょっと荷物が増えるけど、小屋で心身からリラックスできれば疲れの取れ方も違うだろうし、何より小屋を自分の家のような空間に感じられるのもポイント高いです。

夕食時間。
宿泊者さんのごはんを撮らせてもらっちゃいました。笑
わー!やっぱり噂どおり天ぷらがあるー!!
いいなぁぁ....食べたいなぁ。

美味しそうなごはんを横目に、わたしの夕食はポークチリビーンズとチーズパン2つ。
チリシーズニングを入れすぎてすごく辛くて、ひとり鼻の頭に汗をかいておりました。笑
このあとにコンソメを溶かしてスープにして飲みました。
ごちそうさまでしたー!ってしていたら、

「ちゅーた、こっち来て一緒に飲もう!」
と、ふーちゃんから素敵すぎるお誘いをいただき、おじゃましまーすとキッチンに潜入。

(目の前にお父さん、お母さん、斜め右にふーちゃんと息子のしょーちゃん、わたしの隣にSさん)

!!??!!!

あれ、わたしの目の前にみんなと同じ夕食が用意されている!
シャキシャキのキャベツサラダに熱々の豚肉焼き....それに....見て、そのうしろ。
ほら見えた?天ぷら!!天ぷら!!!
そして煮物にお漬け物に、Sさん自家製の梅干し。
「遠慮しないで食べてね〜^^」って。
どれもこれも愛情たっぷりで美味しくて、さっきごはん食べたはずなのに全制覇しちゃいました。

小屋のみんなは、さっきわたしが自炊して食べていたのを知ってるのはずなのに。
貴重で大切な食材で作ったごはんをわたしの分まで作ってくれて一緒に食べさせてくれたんです。
一緒に食卓を囲んでいるから、もしかしたらわたしって野口五郎のみんなと家族だったの?って錯覚しちゃうほど。
それくらい温かく優しくわたしに接して下さいました。
本当にありがとうございました!感謝しても感謝してもしきれないです。
じわじわと、ほこほこと、熱いものが込み上げてきます。



......んだけど!食事をしながらお父さんの貴重な赤ワインをコップに並々と注いでいただくこと数回、ふーちゃんの作った日本酒も飲ませてもらって、もうロレツがおかしいです。笑
ディープな山の話を肴に、本当にあっという間に楽しい時間は過ぎて行く。

消灯まであと20分、ふらりと小屋の外へ。
酔いがまわって火照った顔に、キンと冷たい風が気持ちがいいな。
わたしのポンコツカメラじゃ感度もポンコツで月もぼやっと。
それでも肉眼で見る月は、眩しいくらいに煌めいてる。明日は朝から晴れそうだね。

今日は朝から雨にぬれて主要な稜線はガスまみれだったけど、途中でたくちゃんに会うっていう奇跡的な偶然もあったし、大好きな山仲間からのスーパースペシャルサプライズがあって心底驚いて心温まって、野口五郎のみんなにはありえないくらいに温かく迎えてもらって良くしてもらって。

今日の嬉しい出来事は全部リン兄とタチ子ちゃんのおかげ。
ひとりで歩いてるけど、全然ひとりじゃないんだね。
わたしが山を歩くのは、美しい景色を見たいのはもちろん、歩ききれた事は自信にもなるし、出会う人との何気ない会話も好きだし、普段の自分が嘘ってわけじゃないけど山だと心から素の自分でいれるっていうのもある。
でも何よりも、人の温かさを身に染みて知れるからっていうのが1番の理由かもしれない。

初日からこんなに思い入れできた山旅ができた事に感謝して。
おやすみなさい。

・裏銀座縦走2日目前編へ続く





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○コースタイム
ブナ立尾根取り付きNo.12(6:30)---烏帽子小屋(9:35)---休憩--(10:10)---烏帽子岳(10:45)--烏帽子小屋(11:30)--休憩--(12:00)---お花畑と展望コース分岐(13:20)--野口五郎小屋(14:45)
※休憩など含め、計8時間15分

○アクセス
行き/七倉ダム・七倉山荘前(駐車場あり)
※毎日アルペン号で深夜発、朝着可。7月末は片道7200円でした。
※七倉からタクシーで高瀬ダムまで20分/約2200円
※ゲートが開くのは5:30または6:30(シーズンにより変わります)

帰り/上高地から高速バスにて新宿
※さわやか信州号が事前予約できれば新宿まで直通で帰れます。6200円。           

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8 件のコメント:

  1. 以前ツイッターで絡ませていただいた者です。いよいよ裏銀座の記事ですね。待っておりました。
    僕は折立から入って雲の平近辺を回って、新穂高に降りようかと計画しています。
    コースタイムなどめっちゃ参考になります。僕はテント担いでいくつもりですが、記事を読んでいて小屋泊もいいなあと揺れ始めました。
    続きも楽しみにしております。

    返信削除
    返信
    1. くまさん

      こんばんは〜!
      コメントありがとうございます^^
      折立から雲、新穂高!2泊3日ですか??
      よし、高天原も行っちゃってください♡
      いいなぁいいなぁ...雲にテント張るのかな?羨ましすぎます♪
      でも、裏銀座の小屋はどこもアットホームで夏休みに田舎の親戚の家に遊びにきたようなまったり感を体験できます。おすすめです!
      野口五郎小屋はぜひいつか行って欲しいです^^

      続きはまだ先になりそうですがw
      がんばって書きますのでまた読みに来て下さいね♪

      削除
  2. hidezaurus(秀島)2015年9月8日 21:32

    cyhoota-san
    裏銀座の写真UP待ち遠しかったよ。企画やっていただけあって写真上手だね。
    仕事と今のところ家庭事情(義母をショートステイで施設)で私は2泊3日までが限界です。いいなぁロングトレイル。同じコースでいつかめぐりたい。
    頑張れcyhoota!めざせブログ村No.1!

    返信削除
    返信
    1. hidezaurusuさん

      こんばんは!
      やっと始まりました、裏銀座縦走レポ(*'.'*)お2人に出会った双六まで、まだまだ先ですね(笑)

      2泊3日あれば素敵なルートが色々組めますね!2泊3日で高天原温泉を混ぜたコースをぜひ(*'∀'*)!
      でも絶対行って欲しいのは野口五郎小屋かな。素敵すぎる山小屋です!

      わたしのブログは月1くらいの更新ペースなので、上位は難しそうです(笑)
      ゆるゆるまったり綴っていきますヽ(^ω^)ノ♪

      削除
  3. ちゅーたの夏休みヾ(´ε  `;)ゝ
    読んでたら一緒に登ってるような気持ちになってた笑

    ちゅーたのブログはお腹がすくよ!天ぷら食べたい!
    今度野口五郎小屋へ一緒に行こう
    フーチャン(○´∀`○)从(○´∀`○)ォヒサ


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    1. チャータさん

      あら!ちゃーたさんこんばんは(笑)
      いつもごはんの事ばかり。
      天ぷらはゆずれないなぁ(^^)
      次は絶対一緒に野口五郎小屋に泊まりに行こう!
      その時は“ただいまーっ!”って元気良く入るですよ!

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  4. わたしもいつか・・・♡と憧れている裏銀座や雲ノ平の記事
    楽しみにしてましたーーー!!!
    会社で読みながら(←働け)うるっとしちゃいました。
    もう絶対絶対いつか行きたい!!
    そしてわたしも野口五郎小屋へ泊まりたいです♡♡♡

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    1. ミコさん

      こんばんは(*'∀'*)
      きっとミコさんも裏銀座の空気が大好きになると思います♡
      特に野口五郎小屋は居心地がよくて帰りたくなくなっちゃうんじゃないかなぁ(^^)
      裏銀座だけなら、長いルートですけど稜線に出ちゃえばアップダウンもなく快適に歩けますよ!
      ぜひ歩いてきてください♡
      うるっ どころじゃなく号泣しちゃいますよ〜!




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