2016年2月26日金曜日

2016年2月8日 八方尾根-真っ白に輝く北アルプス、ぱふぱふパウダースノーハイク【北アルプス】

雪の北アルプス!
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朝目覚めて、ふと窓の外を見ると太陽の光に暖かに燃える山が飛び込んできた。

真夜中の3時過ぎにここについてから、たった2時間しか寝ていないのにバッチリ目が覚める。
あと数時間もすれば、あの稜線にいるんだよなぁ...と思うと、なんだか夢心地。
................ぐー。

....ッは!
危ない2度寝をしてしまうところだった!
隣に目を向けると真っ赤なイモムシ。
じゃなかった、ぬっくぬくの冬シュラフにもぐり込んでスヤスヤ眠っているチハル姉さん。笑
夜中は外気温がマイナス17度を示していたけれど、車内でシュラフにくるまって寝ればエンジンを切っていても寒いことなんて一切無しでした。

簡単な朝ごはんをモグモグしながら、出発の準備。
リラックマのペットボトルカバーをピッケルカバーにしているチハル姉さん。笑
わたしの相棒ヤギ太郎もしっかりザックのポケットへ。

出発の前に、忘れ物が無いように車内をくまなくチェック!
ふと車の屋根を見ると冷凍生肉が。
お昼ごはんに雪見鍋をしようと用意してくれていた肉を、ナチュラルに屋根に置きっぱなしの姉さん。
なんだか画がシュールだなぁ。笑
大事な肉をしっかりパッキングして、いざ出発〜!

スタート時に他のメンバーさんも合流して、計5人に。

今回歩くのは八方尾根〜丸山。
ゴンドラとリフトを乗り継いで楽々に1800m地点まで連れて行ってくれます。
ゴンラリフトアダム→アルペンクワッドリフト→グラートクワッドリフトと2回の乗り換えでございます。
※詳しくはこちら→ゴンドラリフト情報

ゴンドラリフトアダムには、登山ポストがあるのでしっかり記入。
白馬には外人さんがとーっても多いので英語バージョンも用意されていました。

ゴンドラにはたくさんのスキーヤーとボーダーのみなさまでごった返していました。
さすが日本国内最大級のスキー場。
登山装備をしているわたしたちはアウェーで、注がれる視線がちょっと痛い。笑
......でも嫌いじゃないです、そういうの。笑

びっくりしたコレ!
ゴンドラやリフトの入口が、電車の改札みたいにカードで自動で通れること。
いつの間にこんなハイテクに.....?
大人になってから2回しかゲレンデに来たことがないわたしにはかなり衝撃的でした。

アルペンクワッドと、グラートクワッドのリフトは窓なしなので風がぴゅーぴゅー。
これが1番寒かったです。
厚手のグローブをしないと指がもげそうなほど冷たくなりますのでご注意を。

リフトは下りる時にすごーく緊張します。
引っかかってリフトを止めてしまったことがあるのでトラウマです。笑

リフトを下りれば、これから滑り降りて行くスキーヤー&ボーダーでいっぱい。
こんな快晴の青空の中、近くも遠くも美しい景色が広がっているこの場所を滑走するのはとても気持ちいいんだろうなぁ。
わたしの場合ボードは2回滑ったらあとはレストハウスで飲んで食べている状態。
上手に滑れたらもっと積極的にやるんだろうけど...2〜3年に1回のペースなので全く上達しないのです。笑

ゲレンデに舞い降りたアウェーな登山者参上〜!!
前にあるグラートクワッドのリフトに乗り換えて、八方山荘までもう少し登って行きます。

どんどん高度を上げて行くリフトからは、鹿島槍や五竜の雄々しい姿が見えます。
じーっと向こうを見つめるチハル姉さん。
脳内でイケメンならぬ、イケヤマパラダイスが広がっていることでしょう。

リフトトップの八方池山荘に到着です。
去年の夏にくま太とここから八方池〜丸山ケルンまでプチ登山をしたのを思い出します。
(くま太の八方尾根レポはまだ未完成です。)
ここでそれぞれスノーシューやワカンを付けました。

八方山荘から先は、ぱっふぱふの雪の道。
バックカントリー勢が全体の95%以上を占めています。
残りの5%は、わたしたち5人のことです。笑

スキーやボードを背をって登って行く人、スキーを履いたまま登って行く人。
新雪に自分の新しいシュプールを描くために続々と登っていました。

みんながスノーシューやワカンとスマートでかっこいい装備をしている中、わたしはTHEかんじき!
去年の夏に山で出会った方が送って下さったものです。
昔ながらのクラシックなかんじきスタイル、どうでしょうか〜♪
わたしはとってもお気に入りです!!

軽くて冷たくならないし、しっかりと爪も効いてくれてすごく快適でした。
浮力もワカンに退けを取りません。
ちょっと難点なのは縄で固定する時かな。
縄が太いからぎゅっと結ぶのが難しい......これは次回違う紐で対応してみようと思います。

ぱふ、ばふ、ぎゅっぎゅ。
列をなしてゆっくりと登って行く。
左手には雪を纏った双児峰をくっきりと見せる、鹿島槍ヶ岳。

バックカントリーのみなさんは各々好きな所で滑る準備をしています。
リフトトップから少しだけ登って滑る人もいれば、もっと先の丸山や山頂から滑る人も.....。
上に行けば行くほど、クレイジーな人達に出会えます。

今回のコースは尾根伝いに第2ケルン〜八方池へ。
去年の夏に唐松岳に来たときは湿原コースを歩いたので、この道ははじめて。
というか、積雪期なのでどこをどうみたって別世界みたいなんですけどね。笑

あっという間に第2ケルン。
後に見える3つの頭が白馬三山、白馬遣ヶ岳・杓子岳・白馬岳。
こうやって稜線をみてしまうと“次はあそこを歩きたいなぁ.....”と欲しか湧いてきません。笑
ほんと山って魅力ばっかりで困ったもんです。

八方ケルンを過ぎたあたりで小休止。

登って行くほどに存在を見せつけるのは五竜岳。
男らしすぎてもう....よだれがぁぁ。
鹿島槍ヶ岳へと続くちょっと急峻な魅惑の稜線、あれが八峰キレットかな?
まだ歩いたことはないけれど、ここは以前からずーっと気になっていたルート。
今年の夏は行く機会があるかなぁ。

「おやつにチョコを持ってきたのよ〜」

って声に、『やった〜!チョコチョコ〜♪』と颯爽と駆けよって満面の笑み。
いただいたチョコは高級そうな抹茶風味のチョコレート。
山で食べるチョコって本当に美味しくて、1粒ですっごく元気がでます!

山用のサングラスを実家に置きっぱなしだったので、普段夏に使っているサングラス。
目元だけなんだか西海岸。
Elizabeth and jamesもこんな雪山で使われるなんて思っていなかっただろうな。笑

緩やかで広い八方尾根。
思わず走り出したくなってしまいます。
丸山までは危ない所も特にないので、心の底から北アルプスの雪山の世界を存分に楽しむことができました。

奥に見えるのが今回の目的地、丸山です。
上は少し風が強いようで、雪煙りが上がっています。

目立つのはたくさんのシュプール。
まっさらな雪の状態じゃないのは少し残念だけど、これはこれで面白い風景。
目を凝らすと斜面を滑って行く人がいたりして...びっくりします。笑

べしょっ!
かんじきでかんじきを踏んで転ぶの図。
ワカンもスノーシューもそうだけど、自分で自分の足を踏んでしまわないように。
ちょっぴりハの字を意識して〜。

どこまでも続く真っ白な稜線。
白と青しかない世界の影は黒じゃなくて青なんだよ。
だからとっても澄んで綺麗に見えて、心が山に奪われそうになる!

向こうに見えるケルンが第3ケルン。
八方池のあるところだけど、もちろん八方池は雪の下。

丸山の手前の樹林帯、多分扇雪渓のあたりかなぁ。
風が強くなってきたので、丸山まで行かずにここでお昼休憩をすることにしました。

みんなでぐるぐる、ぐるぐる、雪を踏み固めてランチルーム作り。

本日のお昼ごはんは味噌とんこつ鍋〜!!
たっぷりの野菜に、肉厚な豚肉、練り物もたっぷりいれたゴッタ鍋。
〆は棒ラーメンを入れ......たら汁が全部なくなってパスタみたいになりました^^

リーダーが持ってきてくれた大きなお鍋がとっても素敵です。
お汁粉も作ってくれて(美味しくて3杯飲んだよ)お腹いーっぱい、大満足でした♡

ごはんを食べ終え、スノーシューを付けようとするも、靴底やスノーシューに付いていた雪が凍ってしまっててんやわんやなチハル姉さん。笑
靴底を叩いてもらって雪落としの図。

歩いているときは考えないけれど、そうそう.....凍るんだよねぇ。
アイゼン付けているときもそうだけど、ベルト部分が凍って着脱が面倒だったり。
雪山って手がかかることが増えるなぁ。

ワカンと立山かんじきの2ショット。
ザックに付けてかっこいいのはワカンだけど、可愛いのは立山かんじきだな〜!笑
昔ながらの道具ってなんでこんなに愛おしいのか.....たまらん〜!!

お昼ごはんを食べていたら、外人さんバックカントリーグループが上がってきました。
もふもふの斜面の腰まで埋まる雪の中をばふばふ進んで行き.......
『Yeaaaaaaaaaah!!』
と、下が見えない抉れた雪面を滑り降りて行く。

なんてクレイジーな。
パウダーの雪煙を盛大にまき散らせながら滑走して行く彼らは、命知らずの変人だけどすごく輝いて見えました〜!
命の危険があるけど、自然を相手にするスポーツって本当にかっこいいよねぇ。
それは登山も同じか。
っていうことは登山者も変人なのか。
(それはわかる気がする。)

ごはんを食べ終えて、出発の準備を終えて。
「丸山まで行ってみる?」
と言われたけれど、今日はもうこんな青空と絶景をゆーっくり堪能できただけで大満足。
時間はまだ余裕があるけれど、今日は丸山と唐松岳の山頂はおあずけにして帰ります。
その分たくさん写真を撮りながら帰ろう!

風に吹かれた雪が様々な波を描いていました。
シュカブラを見て歩くのもすごく楽しいね。

誰も歩いていない雪の上に、自分のトレースを付けて歩くのは気持ちがいい!
スノーシューを付けていても足首は埋まっちゃう。
パフパフ軽すぎるパウダースノーを蹴散らしながら、ずんずん進む。

白馬鑓ヶ岳やその稜線はかなり風が強くなってきたみたい。
あそこはすごく寒いだろうなぁ.....
冬山の風による体感温度の低下は本当にびっくりする。
風がなければポカポカ快適なのに(それでも絶賛氷点下だけど)、風が吹くだけで息をするのすら辛くなるほど寒くなる。
グローブの中で指が冷えて冷えて痛くなって、酷い時にはパンパンになる。
痛いほど寒いのは山を楽しむ余裕がなくなって嫌いだから、風が強いときはすっぱり諦めるのがヘッポコなわたしのルールです。笑

雪の中から、もがくように枝を伸ばしている樹々。
なんだか海に漂う海藻みたい。笑

広くて大きな雪原の中を、小さな小さな人間が歩く。
アリンコみたいだなぁ。

後を振り向けばチハル姉さんが嬉しそうに歩いてて、なんだかわたしも嬉しくなる。
こんな最高のコンディションで歩けて本当にラッキーだね!
今日は丸山から先や唐松岳に行かなくて正解。
見て見て、うしろの稜線はものすごく風が強くなってるよ。笑

持って行ったピッケルは、丸山までだと出番もなく。
せっかくなので北アルプスの雪原を耕すことにしました。
えっほ、えっほ!
これで今年の八方尾根の春の芽吹きは安泰ですよ。

あぁ、もぉぉぉぉ〜!
すーーーーっごく気持ちいいなぁ!!
前を見ても振り返っても、どこもかしこも絶景しかない。

雪を舞わせる鹿島槍ヶ岳と五竜岳。
言葉を失ってしまうくらいの圧倒的な美しさで、そこに存在している。
見ているだけで鳥肌が立つ。
白馬三山もとても美しかったけど、個人的にはこっちのほうが魅力的に見えました。
わたしにはまだまだ、まーだまだこんな雪山に踏み込むことなんてできないけれど、いつか行ける日がくるといいなぁ。

帰り道、間近でみるバックカントリーに目を奪われる〜!
後に白馬三山を従えて、なんだかエクストリームスポーツのポスターのよう。

もうすぐグラートクワッドリフト。
下りて行くわたし達と対象に、まだまだ登ってくるバックカントリーの人達。
滑り下りてしまえば時間はかからないから、登山では考えられない時間でも登ってくる。

朝歩いた時にはなかったみんなの痕跡。
綺麗だった雪の山肌はあっという間に傷だらけ。
これも八方尾根ならではの雪山の姿かな。

さてさて、リフトに乗る前にかんじき等をしっかりパッキング。
ヤギ太郎も雪山たのしかったでしょ〜^^?
ちょっと寒かったかな?

あ〜あ〜...さみしいね、帰りたくないねってチハル姉さんと話しながら乗るリフト。
気持ちとは裏腹にドンドン高度を下げて行くリフト。
山からの帰りはいつも寂しくなっちゃうなぁ。

今回わたしは3シーズンの靴でした。
この日は風もなかったし、水分の少ないパウダーだったので大丈夫だったけど、今後は冬靴も要検討だね。
チハル姉さんはしっかり冬靴でかっこいいなぁ〜♪

あっというまに最後のゴンドラへ。
相変わらずゲレンデの似合わないハイカー御一行様。笑

スキーやボードを担いで行ければ、わたしもバックカントリーとは言わずともゲレンデをしゅーっと滑り下りて、登山とスキーと両方楽しめるのにねぇ。
それをするには滑る練習をしておかないといけないけれど...。

下山後はお楽しみの温泉へ!
今回は白馬八方尾根スキー場の第2駐車場(八方インフォメーションの所)に隣接している八方の湯にお邪魔しました。
露天風呂からは白馬三山を眺められるので、明るいうちに入るのがおすすめ。
なぜか内湯がものすーっごく熱くてびっくりしました。笑
思ったほど大きくはなかったので、休日は激混みなんだろうなぁと思いました。

ぷひゃー、さっぱりさっぱり!
温泉から出てみると雲ひとつないピーカンだった空に雲がわきわき。
山にもしっかりとかかってしまっていました。
いいタイミングで歩けたことに感謝だね〜!!

雪を纏った北アルプスの壮麗な姿。
八方尾根の広くて優しい稜線の向こうに見える、雪の白馬や五竜はとても厳しそうな顔。
夏に感じた雰囲気とはまた違った山の表情。
まっ白な雪の影は青くて、空はいつもよりずっと澄んでいて近くに感じる。
アルプスの雪山に深く入り込むにはまだまだ知識も技術もエネルギーも何もかも足りないけれど、こんなに近くでこうやって触れあえたことが本当に幸せ。

素晴らしいお天気に恵まれて、楽しくてとても頼りになるメンバーのみなさんにも恵まれて、素敵な思い出がまたひとつ増えました。

Nさんご夫婦、Iさん、チハル姉さん、ありがとうございました〜!!

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コースタイム
グラートクワッドリフトトップ---八方池山荘---八方池---丸山(手前)までのピストン。
時間記録なしです、ごめんなさい。

アクセス
行き/車にて 白馬八方尾根スキー場
帰り/同上
○今回のやまのぼりアイテム




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