2016年5月4日水曜日

2015年8月24日 甲斐駒ヶ岳2967m-南アルプスの王子様と真夏のひととき【南アルプス】

真夏のプリンス

2012年10月初旬、わたしは山と出会いました。
南アルプスの女王様“仙丈ヶ岳”。
3000mを越える南アルプスの雄大さに心を動かされました。
小屋に泊まった翌朝、小屋の外に出た時にチラッと一瞬見えた美麗な甲斐駒ヶ岳の姿が目に焼き付いて、ずっと憧れを抱いていました。

それから約3年、そんな憧れの王子様についに会いに行く日がやってきたのです。

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談合坂SAを通る女の子ハイクの道中には必須アイテム。
山梨印の桃のエナジードリンク!!
テンション高めに今日の相棒チハル姉さんと乾杯〜♡

ここから芦安の駐車場までの長い道中は、おかげさまでお喋りが止まる事なく元気にドライブ!
仕事を終えて仮眠も取れていないだろうに...ほんと、チハル姉さんのタフさには驚きっぱなしです。

芦安駐車場尾に早朝に到着し、始発のバスが出るまでちょっくら仮眠しました。
おやおやガスっておりますな〜。

甲斐駒ヶ岳の登山口“北沢峠”までは、マイカー規制があるのでバスを2本乗り継ぎます。
芦安駐車場・乗り合いタクシー(¥1030円/約50分)→→→広河原・南アルプス市営バス(¥750円/30分)→北沢峠

この移動だけで約1時間半。
甲斐駒ヶ岳の広河原ピストンの基本コースタイムは8時間30分。
始発バスで行って北沢峠に7:15着、帰りの最終便は16:00で猶予は8時間45分。
ちょっとカツカツな時間枠なので山頂でゆっくりしすぎないように気をつけなければ....笑
(日帰りを決行する場合は、芦安からの始発バスに乗車しないと厳しいです)

広河原に着いてみれば青空が顔を出してくれていました。

北沢峠へのバスが出るまで少し時間があるのでトイレタイム。
しっかりバス停にザック(ヤギ太郎)を待たせて場所取りしておきます。
ここからまた30分ほどバスに揺られて、やっとこさスタート地点に辿り着くのです。
南アルプスのアクセスの悪さはコレだよねぇ。

バス停からすぐのところに甲斐駒ヶ岳への登山口があります。
今回のルートは広河原〜双児山〜駒津峰〜甲斐駒ヶ岳〜駒津峰〜仙水小屋〜広河原とぐるっと周回コースになります。

序盤はしっとりと濃厚な樹林帯の中を、黙々と登って行きます。
蜘蛛の巣はこれでもかってほど細かく厳重に張られていて、これが南アルプスクオリティなのかと感心しました。
都会の蜘蛛の巣とはひと味違う、美しさも兼ね備えたデザイナーズハウス。

朝方まで静かに降っていた雨を含んだ土や、濡れた植物から発する蒸し暑い湿気。
ゆっくりと登っているはずなのに、あっという間にポタポタと滴るほど大汗をかいてしまいました。
チハル姉さんも日焼け対策のアームカバーを手首まで下ろしきって、もはやアームカバーをしている意味がわからなくなっています。笑

森の中にいても遮られることのない、強いエネルギーを持った真夏の陽射し。
見ただけでわかるこの真夏感は一体どこからくるのだろうか。

南アルプスっぽさを感じる樹林帯。
ぽさ、っていうのは何だろうなぁって考えたけど、シラビソやコメツガの白く優しい雰囲気の針葉樹が鬱蒼と生い茂り、針葉樹の隙間を苔や植物が埋めているような......何て言ったらいいの。

樹林帯を過ぎ、ハイマツ帯に飛び出して展望が開けた所が双児山。
向こうに見えるのは位置的に栗沢山やアサヨ峰、雲に隠れているあたりが北岳になるのかな?

ここでおやつ休憩にしたんだけど、チハル姉さんが持ってきたプチシュークリームが大量すぎて笑っいました。
だって20個くらいあったんだもん。笑
クリームが溶けないうちに食べないとね!!

双児山から先は、再び樹林帯に下ってからの登り返しです。
岩がゴロゴロしていて狭いので少し歩きにくい。

登り返しからはもう森林限界。
視界が開けてとっても気持ちがいい......んだけど、地味にキツい登りです。
小石と砂がザレて足が取られるし、陽射しをガンガンに浴びてしまって余計に。

茂みに埋もれてアサヨを見つめるチハル姉さん。
この2ヶ月後、わたしは向こうに見える早川尾根を地蔵岳から仙丈ヶ岳に向かって歩くのでした。
あの日はとにかく暴風雨でねぇ...稜線で吹雪に変わっちゃったから敗退しました。笑
→2015年10月10-11 地蔵岳・早川尾根から仙丈ヶ岳(途中エスケープ)


見渡す限りに濃い緑の広がる、ずっしりと重みのある稜線。
北アルプスの景色とはまた違った雄大な山の姿。

じわじわと登り返して駒津峰に到着。
ここにくると、さっきからずーっと見えていた甲斐駒ヶ岳がより一層大きく目の前に!

ほわぁぁぁぁ〜!!
甲斐駒ヶ岳の秀麗で美麗な姿がすぐそこに!!
まるで独立峰のようにも見える美しい三角の山容は、遠くから南アルプスの並びを見てもすぐにわかる。

ゴロっとした石の道をトントンと小気味よく歩いて行きます。
浮き石などはあまりなかったけれど、足を置く場所に注意しながら...

甲斐駒王子に一歩一歩、じわじわと着実に忍び寄って行くねずみ(ちゅーた)
夜這じゃなくて正々堂々と昼這です。
待ってて王子様〜♡

チハル姉さんも王子様に抱きつきたいその一心で、慣れない岩場をガツガツ登って行きます。笑
駒津峰から先はこういった岩場のアップダウンが続きます。

途中に山頂までの直登ルートと、巻き道との分岐があります。
直登はこの通り岩を登って行きます。
わたしたちは巻き道でいきますよ〜

鞍部にある岩塊から緑の尾根が直登ルート。
本当に山頂までまーっすぐ、グングン距離を詰めて行きます。
じーっと目を凝らすと何人か登っているのが見えました。

まき道ルート、こちらは白い砂礫が綺麗で甲斐駒の魅力的な姿を感じながら歩けます。
だけど砂に足が取られて疲れる〜

後を振り向くと、チハル姉さんがとってもしんどそう。
灼熱の太陽にジリジリ焼かれるし、足が取られて思うように進まないし.....うぅぅぅ〜
ここが踏ん張りどころ!!

砂の斜面を登るチハル姉さんの、ふくらはぎにかかる圧を写真から感じる。笑
手を岩に突っ張って下に引っぱられる重力に耐える。
そんな傾斜が砂なんだから、そりゃ疲れるよねぇ。

この辺りでチハル姉さんの水1.5Lを預かって、ラストスパート!!
ぬぉぉぉぉ〜!ファイトいっぱーつ♡

ほらほら見て〜!
もうすぐ王子様に会えるよ〜!!

青空に向かって一直線〜!
ついに、ついに......

南アルプスの王子様、甲斐駒ヶ岳〜!!
喜びのあまりぎゅぎゅーっと抱きつかせていただきました。
ずーっと憧れていた王子様.....あぁ、しあわせ〜♡
灼熱地獄の中、睡眠もとらず眠い目を擦りながらも頑張って会いにきた甲斐があるってもんだよね〜
.......甲斐駒ヶ岳だけに。
ふふっ

祠にはわらじがあって、足腰祈願もかねて参拝。
ずっと山に登っていれる健康体でいられますように。

甲斐駒の山頂にある岩に登ってより高い所へ!!
気持ち良さそうに登っている人を見つけて、思わずわたしもヨジヨジ登ってしまいました。笑
時折雲が山全体を覆うけど、パーっと雲が切れた時の青空が最高〜!!

風で雲が流れて、向こうに摩利支天が姿を現す。
わぁぁぁ、天空の島みたいだ〜
あちらにもお邪魔したい所なんだけど、お昼タイムをたくさん取りすぎて時間に余裕がないのです。笑
今回は残念だけど、また次の機会のお楽しみにとっておこう。

摩利支天と絶景と青空にテンションMaxなチハル姉さん。
撮ってるこっちまで笑顔になっちゃうくらい喜んでおります。キャーキャー!!

ズームして摩利支天を見てみるとチョコンと人が。
サバンナでヌーの背中に乗って休んでる小さな鳥みたいだね。笑
こうやって人が小さく写ってる写真は山の大きさが感じられて好きだなぁ。

花崗岩の岩と、それが途方もない歳月をかけて風化して砂礫になって。
白い砂も昔は形を持った存在だったんだよね。
姿が変わっても美しいことに変わりなし、素晴らしすぎる歳の重ね方だなぁ。

こんな細い所もスリムな姉さんはサササっと華麗に通過。
タフなのにスレンダーってずーるーいー!!笑
ここはすれ違いが大変なのでみんなで譲り合いの精神を発揮するところですよ〜

あっという間にハイマツエリアまで戻ってきちゃいました。
登山道脇のハイマツのすぐ下はもう植物がモリモリ生い茂って緑の斜面。
森林限界の標高が高く境界線が曖昧で、南アルプスってこんな感じ。
日本の山って感じ。

駒津峰に戻ってきたので、ここから仙水峠に向かいます。
向こうに見える尾根筋は仙水峠から栗沢山・アサヨ峰に向かうルート。
稜線に登っても森林限界しないから、こうやって見てるとアルプス感を全然感じない。笑
南アルプスはなかなか絶景ごほうびをくれなくて、登山者を甘やかしてくれない。

仙水峠までの下りはなかなかに急で長かった〜!笑

そしてやっと下りてきたと安心した所に鞭を打つこの歩きにくいコロコロガラガラルート。
ここからゴールまで特に下ったりすることもないので横移動が長い長い。

樹林帯に入るまでずっとこんな所を歩いて行きます。
足元も斜面も全部石ころコロコロ!
何だここは〜!!!

田舎のおばぁちゃんちの縁側のような仙水小屋。

改装してすごく綺麗になった長衛小屋。
トイレもとっても綺麗で広くて快適すぎるくらいでした。

ここまで下りてきて時刻を見ると、15:40。
山頂でゆっくりしすぎて最終16:00のバスに間に合わないかとちょっとハラハラしていたんだけど、グッドタイミングで間に合った〜♬
バスに乗り込み、芦安の駐車場までひとねむり.....。

*
本日も大満足の山の旅でした。
チハル姉さんとの山はほとんど睡眠ナシの24時間活動系のエクストリーム登山。笑
それでもこうやって元気いっぱいに登って楽しめるのは、楽しすぎる姉さんと魅力に溢れすぎている山々のおかげ。
もちろん帰宅したら屍のように、泥のようにベッドでデロデロになってしまうけど。笑

今回が南アルプスデビューのチハル姉さんに王子様は微笑みました。
真夏の甲斐駒ヶ岳、灼熱のプリンスは頑張ったわたし達を青空の下で抱きしめてくれました。
今度は黒戸尾根から会いに行くから(しんどくて途中で息絶えるかもしれないけど)待っててね〜♡

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コースタイム
北沢峠(7:35)---駒津根(10:00〜10:20)---甲斐駒ヶ岳(11:35〜12:45)---駒津根(13:40)---仙水峠(14:40)---北沢峠(15:40)
※休憩時間1時間50分含め、8時間5分


○今回のやまのぼりアイテム









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