2016年8月22日月曜日

2016年5月14-15日 白馬岳2932m-白馬大雪渓、スキーと尻セード(2日目)【北アルプス】



おはようございます、白馬岳2日目の朝です。

am3:30
結露して曇った窓を少し開けて外を見てみると星が見えた!
よしよし...御来光をばっちり見られそう。
隣に並んで寝ているみんなを起こして、朝陽を見に行く準備をします。

小屋の外に出てみるとほんのり明るい。
旭岳に「早く行かないと御来光見そこねるぞ」って言われてる気がした。

振り返って白馬岳の山頂を見てみると、随分と白んできている!
旭岳の言う通り、こりゃさっさと上に行かなくちゃ〜!!
(急いでいたからかものすごくブレるわたし)

モト兄さんもタチコちゃんも早く早く〜!!
って振り返って見えた景色に息をのむ。
杓子岳も白馬槍ヶ岳も、その後には劔からずーっと槍ヶ岳までクッキリと...
あぁどうしよう、朝からこんな絶景見せつけてどうしろって言うの〜!!

っと!!
ダメだダメだ、足を止めてる場合じゃない〜
太陽が顔を出すまでもうわずかな時間しかないんだから!!
手前の小蓮華岳と白馬大池の稜線の向こう、雨飾山の後から太陽が今にも生まれようとしてる。

生まれた〜!!!
太陽がひょっこり顔を出すと、その眩しさに直視できなくなる。
元気よく生まれた太陽は真っ赤でまさに赤ちゃん。

太陽の光は徐々に落ち着きを取り戻して、柔和でクリーミーな色彩に変わる。
静かな空気の中に、まわりにいるみんなの声や踏みしめる土の音が混ざって心地いい。
こんなに高い上空を元気よく数羽のツバメが飛び回っていて、風を切る音まで良く聞こえた。
なんて贅沢な朝なんだろう。

あの台形の山塊はどこかなぁ...
その手前には滝雲が出ていて、すごくファンタジックな景色を作り出していました。

ほんの少し前まで青の寒色に染まっていた山たちは、ガラッと色を変えて暖色に。
冷たくて痛かった空気も温められて柔らかくなってきた。
まだまだ気温はグンと低く寒いはずなのに、太陽に当たるだけで暖かい幸せ〜って思える。

劔岳をズームアップ。
こちら側から見る劔岳は、わたしの思っていた劔の山容とは何かが違くってあれが劔だとなぜか認めたくなかった。笑
それでもピラミダルな姿はとても目立つし、急峻な岩峰ゆえに雪をたっぷりとは纏わない姿は、他の山とは別格だぞと言っているような気がして威厳がありました。

みんなが劔岳方面に目を奪われている中、タチコちゃんだけは小蓮華岳の方を向いてまったり。
この囚われないタチコイズムがわたしはとても好きなのです。
そしてカッコイイ。

まだまだ未熟者で色んな山が初めてのわたしは、やっぱりこっちの景色に目がいってしまう。笑
山がいっぱい見えて、あそことココとそっちも!って行きたいところたくさん見えちゃって楽しいけど困っちゃう。

まだ足を踏み入れたことのない向こう側の山たち。
山で遊んでいるとあっという間に季節は過ぎてしまって、時も経ってしまうけど、必ず歩きに行きたいと願うのでした。

おっと山頂写真を忘れてた!
昨日は到着も遅かったしガスも出てたしで登れてなかった白馬岳、今きたよ〜!!

そのまま集合写真を何枚か撮るも、わたしのお気に入りはコレ。
セルフタイマーにひとり間に合わずの1枚。笑
バシっとキマった写真も好きだけど、ちょっとズレてる写真が大好き。
(タイマーを押して急いで岩場を走ったら転んで指を切るというアクシデント付き)

そうこうして遊んでいるうちに、山や空はまた色を変え、洗い立ての洗濯物みたいに爽やかに。
澄みきってすごく眩しい〜!!
(例えがおかしい)
うしろにやたらにょーんって細く突き出た山があるなぁってよく見たら、焼山から上がっている噴煙でした。

早起きは三文の得っていうけれど、山の朝はそれ以上に得をした気分。
短時間で山の色々な表情が見れちゃうんだから。
どんなに眠くても、どんなに寒くても、晴れた日の山の朝は太陽が昇る前から楽しんで欲しいです。

ゴソっと落ち込んだ主稜線と、最新スタイルのわたしのゲイター。
前日の雪渓で濡れてしまったわたしの登山靴。
当たらしい靴下に履き替えたから濡らしたくなかったので、ビニール袋をはいてから靴を履いてみた。
カサカサとちょっとうるさくて靴の中で滑るけど楽しかったからアリだなと思いました。笑
(小屋にまた戻って脱ぐから今は濡らしたくなかったの。)

山頂は風もなく穏やかで、とことん絶景だったからいつまでもいられる感じで。
1時間以上のんびりしてから小屋に戻りました。
お腹も空いたしね〜

この時期は1号館とスカイプラザ白馬は閉鎖中で、食堂のある2号館のみの営業となっています。
(3ヶ月後の8月中旬に再び白馬岳に行ったのですが、その時は楽しみにしていたスカイプラザで生ビールを堪能しました♡)


朝ごはんはリンゴ兄さんとタチコちゃんのバリのお土産。
ちょっと怪しいラーメンです。笑
キャラクターが前に出すぎて、ラーメンの美味しさがパッケージから伝わってきませんがヤル気はなんとなく伝わります。
酸っぱスパイシーで美味しかったよ〜!

朝デザートはアップルパイ。
タチコちゃんが誕生日を少し前に迎えていたので誕生日クッキーをトッピングです!
はっぴばーすでータチコちゃーん♡
このクッキー歯が欠けるんじゃないかってほど硬くて食べるの大変だったよね。笑

ラーメン食べて暑い〜ってなって自炊場のドアを開けたらこれまた絶景で...。
家のお勝手口を開けたらこんな景色が広がってたら最高だよなぁと妄想を膨らませました。
お勝手口のある静かな一軒家に住みたい。
夜にはタヌキが遊びにきて、縁側でそれを眺めたい。

ごはんを食べて8時頃までちょっと休んで。
スキーで滑るリンゴ兄さんとタチコちゃんがブーツや板を装着している間に、わたしとモト兄さんはお先に出発。
先に出てもすぐ追いつかれちゃうだろうけどね。笑

ほら、振り返れば滑ってくる2人。
あっという間に追い抜かれちゃった。笑

↑雪上を滑るリンゴ兄さんの視点。

↑一般ルートを歩くわたしの視点。
.........スキー!!絶景!!速い!!楽しそう!!でも怖そう〜!!

頂上宿舎の上の杓子岳に向かう分岐でスキー板をはずして、ここからわたしとリンゴ兄さんは丸山までちょっとだけお散歩。
タチコちゃんとモト兄さんはのんびりお留守番です。

5分くらいであっという間に丸山〜!
雪が融けた後で、まだ人が多く踏んでいない地面はふかふかと柔らかくて足に心地いい。
手前に台形の杓子岳とその奥に白馬鑓ヶ岳。
白馬三山縦走はまた数ヶ月後の夏にとっておこう。

白馬岳と、大きな大きな白馬山荘と、良いお天気にテンションの高まるわたし。
ここから見る白馬岳のかたちは気持ちがいいくらいにツン!としていて可愛らしい。

さてボチボチ戻りますかね。
あと数十分後には稜線から離れなきゃいけないだなんて信じられない.....
あーぁ、ふぁ〜ぁ、やーだなぁぁぁ。

なんてグチグチしていたら、目の前に山のアイドル雷鳥さん!!
しかもほんのり冬羽を残していて可愛すぎる〜!!

ちょっ.....待ってね、今撮るからちょっと待っててね...!
逃げられないように撮影しながらジワジワと迫ります。

そして撮れたのがコチラ。
お・し・り〜!!
それでもいいの、わたしは大満足。フフン

お留守番していたタチコちゃんとモト兄さんに合流。
陽射しがぽかぽかでモト兄さんはちょっと寝ていたらしい。笑

さてさて、名残惜しいけど下りる時間がやってきました。
徒歩チームのモト兄さんとわたしは再び先に出発です。
気温が少し上がり柔らかくなった雪で歩きやすくて、サクサク下りて行けますが...

上からわたし達を見下ろしているスキーチームの速さたるや。

スイーっと快適そうに滑り降りてくる〜
ギャー!追いつかれる〜って一生懸命歩いても、

数分で同じ高さに。笑
(リンゴ兄さんカメラより)

真横を華麗に滑って行くリンゴ兄さんとタチコちゃん。
ひゅー!かっこいい〜♡♡♡
山スキーを間近で見るのは初めてで、その爽快さに釘付け〜
ゲレンデとは違って雪質も様々だろうし落石も転がってるしで難しいんだろうけど、それをものともせずに滑って行く2人は本当にかっこよかった!

そしてわたし達を追い越し、暇をする2人。
タチコちゃんのくつろぎ具合がたまらなくいい感じ!笑

かっこよさに惚れた天狗菱に別れを告げて、

雪渓の斜度が少し緩んできたあたりから尻セード開始〜!!
春の乗鞍岳で拾ったヒップソリと、ビニール袋を使ってしゅーっと行けるところまで滑って行く。
1度滑り出すとどこまでもシューっと滑って行けるからすっごく楽しかった。

テンションが上がって滑りながらストックを高く振りかざし『ヒュー!』って言いながらグループさんの横を通過したら、
「ヤギ太郎さーん.....?」って声が聞こえて話してみると、instagramのフォロワーさん達でした。
(お互いにフォローしてたりしてなかったり様々だったけど笑)
まさかこの時期に、尻セードでワーキャーしている時に出会うとは....お恥ずかしい!!笑

ちょこっとしかお話できなかったけど、そのあと飲みに行ったり山にサプライズでお迎えに来てくれたりと縁が繋がって嬉しい限りでした。
またどこかの山で、どこかの呑み屋で.....むふふ。

白馬尻を過ぎて振り返れば、あんなに青空だった白馬に大きな雲がかかっていました。

山をはじめた頃はなんでこんな風に木がたわんでるんだろうって不思議に思っていたけれど、雪の重みでたわむんだね〜!
雪が融けてなくなると、徐々に元の姿に戻っていくんだね。
自然の力って本当に不思議で面白いっ!!

前日にはなかった橋が、帰りにはしっかりできてました。
おかげでラクラク通過できました!
整備ありがとうございます〜!!

林道をのんびりと歩いて、猿倉に戻って来ました。
登りと比べると下りはあっという間だったねぇ。
みんなおつかれさま〜っ

帰りは途中にあるおびなたの湯で冷えた体をポカポカにして、お蕎麦をモリモリ食べて、もひとつオマケにステーキをモリモリ食べて帰途に着きました。

わたしにとって初めての白馬岳。
まさか残雪期にくるだなんて考えもしなかったけれど、写真で見た夏の大雪渓を遥かに凌ぐスケールの大雪渓が目の前に広がっていて、見たことのない自然の景色にゾクゾクわくわく。
どこまでもいつまでも続いて終わりがないように思える雪渓の登り、頑張って登りきった先には北アルプスのいいところをギュギュっと凝縮したような見ごたえのある派手な景色が待っていてくれました。

北アルプスを全部見渡せてるんじゃないかってほど贅沢なこの景色は、まだ歩いていない山やルートを指で指して辿りながら「ここをこうやって繋いで歩こう」って3Dの地図を見ているようですごく楽しかった。
山に登って絶景を見ると、あっちもこっちも歩きたい〜って欲ばっかりでちゃうけど、それはもう仕方のないことだよね。
それぞれの山にそれぞれの絶景が待っていて、どこだって自分の足で歩いて行けるから。
さぁ、次はどこに行こうかな^^


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コースタイム
※雪山&スキー装備なので参考にならないかもしれません
1日目
猿倉荘(10:45)---白馬尻小屋(12:00)---避難小屋(15:55)----白馬山荘(17:50)
※休憩時間計40分含め、7時間5分

※後半ほとんど尻セードなので参考にならないかもしれません
2日目
白馬山荘(4:15)---白馬岳(4:25)-のんびり60分-下山開始(5:25)---白馬山荘(5:35)
白馬山荘(8:00)-丸山お散歩&のんびり70分-下山開始(9:30)---猿倉荘(12:35)
※休憩時間計90分含め、3時間5分

アクセス
行き/車にて 猿倉駐車場(無料)
帰り/同上

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