2016年3月18日金曜日

2015年10月10-12日 地蔵岳〜早川尾根〜仙丈ヶ岳/2日目-悪天候の地蔵岳、雨から吹雪の早川尾根【南アルプス】



地蔵岳のオベリスク


おっはようございま〜す!
早朝からペペロンチーノで元気爆発っ!!
マイホームにニンニク臭の湯気が漂ってくもっております。

もぐもぐ、もぐもぐ、ザーザー、バタバタバタ、ザーザーヒュォー
耳を澄まさなくてもすぐわかる悪天候のお知らせ。
........雨だし風強いし....
テント撤収が嫌すぎる...........

狭いテント内でパッキングを済ませてレインウェアを着込み、さぁ残すはテントのみ。
覚悟を決めて外へ出る。
........ポツポツボタボタボタボタ!
すごい勢いで雨があたるけど躊躇してる暇はない〜!
スピーディ(ぐっしゃぐしゃ)にまとめて(丸めて)、ザックに押し込む(無理矢理).....かんぺき!!

am6:15
さて、出発です。
雨はボタボタと降っていますが、地蔵岳までは樹林帯なので雨風の被害は少なさそうです。

本日のコースですが、早朝のテント会議の結果、予定通り地蔵岳のピークを踏み早川尾根から仙水峠を目指す事にしました。
もし天候がこれ以上悪くなるようであれば、早川尾根の途中にある白鳳峠または広河原峠からエスケープをします。

歩きはじめは樹林の中を登って行くけれど、程なくして足元が砂礫に変わります。
水はけが良いのか悪いのかイマイチ良くわからない土壌。
ビシャっと水たまりを踏んでしまっても、泥がベタっと付く訳ではなく濡れた砂を被るだけ。
登山靴のソールが泥で重たくなるストレスがないのはありがたい。

段々と樹々も減り、徐々に視界が開けてきました。
樹々はひょろっと細く点在するようにあり、なんだか不思議な世界観。
間を縫うように進んで行きます。

ぼやーっと靄に包まれたナナカマドの雰囲気がこの世じゃないみたい。
一歩踏み出しても、後ろ足が砂にもたれて思うように進めない。
それがわたしの体力を奪うものだから、この景色を見ながら『ここは三途の川か.....あの世か......』とブツブツ愚痴っていたような気がします。
だけど異世界のように感じるこの風景はとても美しいなと思うのです。
辛いしキツいけど、雨でしか見れない景色もある。

足元は草紅葉。
枯れた倒木が動物の骨のようにみえるから、サバンナみたい。
ここはすっごく寒いけど。

しっかり前を向いて歩くとダイレクトに雨が視界を遮るから、下を向いて黙々と歩く。
下を向いていようがフードを被ろうが、どうあがいても雨は吹き付けてきます。
顔を洗った時のようにびしょり濡れて、雨が目に入りまくって痛いよ。

先に進めば進むほど、樹々がなくなり雨風が強くなる。
それでも段々とオベリスクらしき姿が浮かび上がってきました。
うぅうううぅぅ。
もう楽しいっていう気持ちは一切なくて、ただ目的地に向かって惰性で足を動かしている状態。
このたった1時間の登りが本当にしんどかったなぁ。

am7:05
そしてついに憧れのオベリスクが目の前に...!!
ここにだけ大きな岩が固まって、不思議な砦を創りあげてる。
オベリスクの先をまじまじと眺めて『狼が遠吠えしてるみたい』と思った。
だけど、このオベリスクが鳥の嘴に見えるから“鳳凰三山”って名前が付いたのだそうです。

オベリスク直下にあるお地蔵様と一緒に。
花崗岩だからか燕岳のイルカ岩を彷彿とさせるね。
雨で岩のコンディションが悪いからオベリスクに登ることは早々に諦めていたけど、せっかくなのでオベリスクの周りをウロウロ徘徊して取り付きを確認したりしました。
ロープは岩に挟まって引っぱり出せず....
どういうこっちゃ。

 せっかくなのでオベリスクと記念撮影しました。
すっごい風と雨で「撮るよ!」の声も聞こえず、ビッショビショだけどやたらと嬉しそうな顔。笑
オベリスクに登れなかったのは残念だけど、こんなに近くまで来れてよかった〜!

 待機していたザックを回収して、先へ進みます。
何度も何度も風でザックカバーが飛ばされては付けなおして.....そんなこんなしているうちにザックもびっちょびちょ。
SEA TO SUMMITウルトラSIL ドライサック を入れているからカバーをしなくても中身が濡れることはないけど、ザック自体が濡れて重みが増すので一応付けております。

地蔵岳には、その名の通りお地蔵様がたくさんいらっしゃいます。
密集したお地蔵様はこんなお天気の中だからかちょっと異質で怖くも感じました。
昔はオベリスクを大日如来として崇めていたそうなので、その頃のみんなが運んできたんだろうか。
わたしも次に来るときは小さなお地蔵様を運んでみようかなぁ。
そしてお地蔵様の向こうに見える稜線が、これから歩く早川尾根です〜。

尾根に乗った瞬間、さっきまでの風雨がへなちょこだったと思えるほどの強烈な突風が襲ってきました。
思ってもいなかった突風にバランスが崩れる....!!
ここから先は稜線を歩くので煽られないように気をつけて行かないと。

雨に目をしばたたかせながら左を見れば鳳凰三山の最高峰、観音岳.....は見えない。笑
ここから観音岳にルートは繋がっているので、晴れていればそのピークも眺められただろうにー。

わたしたちは右に稜線を進みます。
ガスってよく見えないけど向こうのピークが高嶺です。
登り返しが待っていそうだけど、気付かなかったことにしよう。笑


ちょこっとした岩場もあったり、急な下りもあったり。
風でバランスを崩さないように、濡れた岩で足を滑らせないように注意しながら進んで行きます。

am8:35
高嶺に到着しました。
カメラを上着から取り出しては構図も決めずにサっと撮影です。
濡れないようにと必死に防御しますが、一瞬取り出すだけでもビショビショになる...
そろそろカメラが限界を迎えそうです。笑

この辺りから風が強まり、雨が肌に打ち付けるように降ってくるようになりました。
雨でぬれた体が強風に冷されて体温が急速に低下して行くのがわかります。
グローブをしていても岩が信じられないほど冷たく、熱が奪われて指先の感覚がなくなっていきました。

早川尾根は危ないルートではありませんが、露岩の痩せた所を歩いたり、岩を登ったり下りたりするポイントがあります。
普段ならなんてことないはずなのに、この日は雨で岩が滑り、岩の冷たさで手の感覚が鈍り、重い荷物で体のバランスが取りにくいという状態と大きなザックに強風が当たり体が振られるという非常に良くない危険なコンディションでした。

お互いの声も近距離で聞こえない。
休めば急速に体が冷えて震えてしまいます。
強い雨風に必死に耐えながら、ただ黙々と歩きました。

そして今まで痛いほどに打ち付けていた雨が、ここで雪に変わりました。
白く凍った氷の塊が、ウェアにバチバチと音をたてて当たり、視界を遮ります。
この時点で『仙水峠まで行くのは無理だなぁ....』と先に進むことを諦めました。

最初のエスケープルートは白鳳峠、そこまで無事に下りないと。

天候はどんどん悪化し、もう前が見えません。
ある程度痩せた箇所や露岩帯を抜けてからはハイマツが広く茂るなだらかなゴロ道になりました。
歩くのに危険はないけれど、岩の隠れ場所がないので常に風に晒されて低体温になってしまうという危険が。
休むときは足元のハイマツに寝転がるようにして風を避けながら。
風に当たらないだけで天国かと思うほど暖かく感じました。

そんな状況だったけど、早川尾根の稜線はなんて美しいんだろうと思いながら歩いていました。
人がそこまで多く入らないからかハイマツは登山道を隠してしまうように生き生きとギッシリと茂っていて、ガスの中から時折覗く稜線の全容は昔から変わらない、恒久的で山そのものを強く感じさせる素晴らしいものでした。
ここは天気のいい時に必ず再訪しなくちゃね。

下りて行くにつれてハイマツの背は高くなり、ようやく安心出来るようになりました。
無事にエスケープポイントまで辿り着けそうです。
目指していた仙水峠まではここからまだまだ先.....早川尾根小屋を過ぎ、アサヨ峰と栗沢山のピークを越えなければいけません。

峠まで下りてしまえば再び樹林帯となりました。
風もないし、雨や雪もそんなに当たらない.....ようやくホっと一息つけました。

am9:30
白鳳峠
標高を下げてしまえば雪は雨に変わり、樹林のため風も当たらず平穏を取り戻しました。
ここで情報整理と最終ジャッジ。
1・ここから広河原にエスケープする。
2・まだ時間もあるのでもうひとつ先の広河原峠からエスケープする。
3・早川尾根小屋に宿泊し、翌日に仙水峠に下りる。
※このコンディションだと今日中に仙水峠までの○時間を歩くのは危険なのでナシ。

わたしが選んだのは1
いずれにしろ、目指していた仙丈ヶ岳には辿りつけないのならこんなバッドコンディションの中で頑張る必要はないもんね。
それに今は樹林帯で暖かいけど、ここから先に進めば再び森林限界の稜線へ出なきゃ行けないから。
これ以上はやっぱり危ないし楽しくないよね。

下りると決めたら気持ちはスーっと楽になり清々しいくらい!!
白鳳峠から下りはじめるとすぐに樹林帯が終わってしまったので再び吹きさらしに。笑
ここがまた今まで歩いたことのない雰囲気の場所でうっとりしてしまった。
(しっかり写真に残せていないのが残念。)

もそもそ、乾燥したイソギンチャクみたい。
苔の仲間なの?菌類なの?不思議な植物。

そしてあっという間に森の中。
岩に苔がびっしり付いて、それが雨で濡れてるもんだから瑞々しい匂いが濃厚でねぇ。
体の中が浄化されるような綺麗なにおい。

ごっちゃり。
南アルプスらしいなぁと思うのはどうしてだろうか...こんなシラビソとか細い樹々が鬱蒼として、倒木も多くそこに苔がみっちしていると南っぽい。
そんな感じで南アルプスの森を覚えてしまっています。


とにかく樹林に入ってからは下る下る!
どれだけ下りれば気が済むのかってほど急坂の下りが続きます。
こんな梯子やロープも数カ所ありました。

am11:20
バスルートへ下りてきました〜。
下りてみれば雨はほぼ止んでいて、天気も回復傾向です。
実は明日は快晴予報なんですよねぇ。
だからエスケープしたものの、『明日は晴れだから、今からバスで仙水峠に行って泊まって仙丈ヶ岳に日帰りしたいなぁ...』なんて淡い期待を口に出してみたけれど...
「こんなに装備がびっしょりなんだからダメだよ。」と見事にバッサリ。笑
ごもっとも〜!!!

ちょーん。
今日歩かずに、鳳凰小屋でもう1日停滞すれば良かったのかなぁ。
いやでもあそこにいてもしょうがないもんなぁ...
ぐるぐる....もやもや...無念......!!!

ぽてぽて歩くこと15分。
広河原に到着です。

広河原のセンターに入ってみると、さっきの雪の情報が張り出されていました。
仙丈小屋で3cm、北岳は5cmかぁ。
もしかしたら雪が降るかもと思ってチェーンスパイクを持ってきていたけど、正解だったな(行かないけど)
秋のアルプスはこういう怖さがあるんだね。
もし小屋で寝てる間に雪が降って、朝起きたら雪景色!アイゼン持ってきてない〜どうしよ〜!ってなってしまうリスクもあるってこと。
今回の山行をどこにするか決める時、師匠は常にそのリスクを念頭に置いていました。
山を歩くことに慣れたから、体力もついたから、とかそんな自信だけじゃなくて、季節や天候のリスクを山域やルートを考えて推し量れるようにならないとダメだなぁと改めて感じました。

広河原から甲府駅までは直通バスで向かいます。
どんどん遠くなって行く南アルプスを窓からジっと眺めていたけれど、いつの間にか眠っていました。

甲府駅からの帰りの電車の中ではもちろんお酒タイムでございます。
駅についてすぐに温泉に入ろうと向かったのですが、残念ながらギュウギュウ混雑で...
おしくらまんじゅう状態になりそうだったのでスゴスゴと敗退してきました。
時間もあまりなかったのでご当地食も食せず、なんとも無念。
ってことで電車内にてヤケ酒パーティーとなったわけです。
こんなチッコイワインを飲んだだけなのに、ふわふわといい気分.....ねむい。
新宿駅までふわふわウトウトしながら夢見心地なのでした。

-
今回の山旅は2日目の天気が良くないのは承知の上のものでした。
稜線で吹雪かれるとは思わなかったけどね。笑
装備や体力が不十分だったら、師匠が一緒にいなかったら、もしかしたら危険な山旅になっていたかもしれません。
秋のアルプスはいつでも瞬間的に冬になる怖さを持っています。
天気予報が晴れを示していたとしても、崩れることだってあるから。
山を歩いた回数や体力だけではどうにもならなくて、天気の知識や先を見る力とか色々な知識を身につけないといけないなぁと感じたのでした。

色々学べる師匠山行、今回のテーマは悪天候のテント撤収と暴風稜線の歩き方(サブテーマは重い荷物を運べるかの体力テスト)と言ったところでしょうか。笑
次はツェルトビバークをしないとねって言っていたけど、えぇぇ〜。
思い出の仙丈ヶ岳に一緒に行けなかったのはとても残念だったけれど、貴重な経験もできて充実したものになったなぁと思います。
自分ひとりじゃ体験できないようなことを教えてくれる師匠山行、次回も楽しみ(?)です!

-
コースタイム
1日目
青木鉱泉(11:00)---滝展望台分岐(12:15)---南精進ヶ滝(12:20)---鳳凰の滝(13:05)---白糸滝(14:00)---五色滝---(14:40)---鳳凰小屋(15:30)
※休憩時間含め、4時間30分

2日目
鳳凰小屋(6:15)---地蔵岳(7:05〜7:35)---赤抜沢ノ頭(7:45)---高嶺(8:35)---白鳳峠(9:30)---白鳳峠入口(11:20)---広河原(11:35)
※休憩時間含め、5時間15分

アクセス
行き/中央本線:韮崎駅から山梨中央交通バスにて青木鉱泉
帰り/バス:広河原〜甲府駅(南アルプス市営バス

○今回のやまのぼりアイテム




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2016年3月10日木曜日

2015年10月10-12日 地蔵岳〜早川尾根〜仙丈ヶ岳/1日目-ふくらはぎ瀕死のドンドコ沢【南アルプス】

秋と冬の間を旅する
-
時間を巻き戻して、去年の秋のおはなし。
10月の連休を使って、地蔵岳〜仙丈ヶ岳を縦走してきました。

○ルート
1日目/青木鉱泉〜鳳凰小屋(テント泊)
2日目/鳳凰小屋〜地蔵岳〜アサヨ峰〜北沢峠(テント泊)
3日目/北沢峠〜仙丈ヶ岳〜北沢峠
※2日目で吹雪かれてしまったので途中エスケープしました。

元々は鳳凰三山縦走(薬師岳〜観音岳〜地蔵岳)を予定していたのですが、わたしがどうしても仙丈ヶ岳に行きたかったので師匠にルート変更をお願いした次第であります。

思い起こすこと3年前の2012年10月6-7日、わたしは仙丈ヶ岳にいました。
わたしのはじまりの山、登山にのめり込むきっかけとなった山です。
今回はその時の山行隊長だった現“師匠”との同時期の山行。
それなら仙丈ヶ岳に再訪するのもいいなぁと思ったのです。
あれから3年、テントを背負って歩けるほどには成長した自分を見せつけてやろうかなと。笑
(ルートに印した通り、途中エスケープという結果になっちゃいましたけど。笑)

今回は韮崎駅からアクセスします。
登山を始めてから“韮崎”の名前を良く聞いたり言葉にしたりするけれど、実際に来たのは今日が初めてです。

出迎えてくれたのは韮崎のゆるキャラ“ニーラ”
アウトラインが雑すぎるのが気になるところ.....
趣味は旅をすること、好きな食べ物はフルーツと緑色の食べ物だそうです。
お腹の星に触れると幸運が訪れるということなので、ニーラに会ったら是非触ってみて下さい。笑

わたしはニーラよりも、駅構内のお蕎麦屋さんの天ぷらに興味が...。
紅ショウガ天や野沢菜天って食べたことない〜!
絶対おいしいよねぇ。
ブログを書きながら、食べときゃ良かったなぁと後悔しているなう。
次に韮崎駅から山に入るときは、山に天ぷらをテイクアウトして行こっと。

 バス乗り場は駅の裏手にあります。
山梨中央交通バスにて韮崎駅〜御座石温泉〜青木鉱泉のルートで鳳凰三山(地蔵岳)の登山口へと行ってくれます。
韮崎駅からは、他にも茅ヶ岳や瑞牆山・金峰山など色々な山へ向かうバスも出ています。

 料金は1500円それに荷物料200円で、片道1700円です。
山道を走るバスはやっぱり高い〜
御座石温泉も青木鉱泉も駐車場があるのでマイカーアクセス可能ですが、わたし達は広河原へと抜けるので今回はバスを利用しました。

連休と言えども10月。
登山者は減少しているようで、登山者は座席にぴったり座れる程度でした。
夏はぎゅうぎゅう大盛況なんだろうね〜

 バスから窓の外を眺めると、曇天の空にこれから目指す地蔵岳のオベリスクが見えました。
ぴょーんと突きたったオベリスク.....わたしはあのてっぺんに立ちたいのです。
ぬぬ〜晴れて欲しいなぁ。

 バスは御座石温泉に到着。
「御座石コースとドンドコ沢コースと、バスが到着するまでにどっちか決めてね。」
と、師匠に言われていたのでここで決断しないといけません。
わたしは『ドンドコ沢コースにする〜!』と意気揚々と決断しました。
わたしたち以外の全員が御座石温泉で下りて行ったので、ドンドコ沢コースなら静かな山歩きができるなと思ったのです。

あの時のわたしに声を大にして言いたい。
テン泊装備(師匠山行仕様)でドンドコ沢コースはやめておけと。
※師匠山行仕様.....修行も兼ねていつもより重めのザックのこと、今回は20kg。


 そんな辛い登りが待っているとは露知らず、ドンドコ沢コースの始点となる青木鉱泉に到着。
趣のある素敵な佇まいの青木鉱泉は、宿としての宿泊はもちろん日帰り入浴もできます。
(冬季は休業になります。)
トイレ、水場、登山ポストがあるので、ここで出発の準備をしっかりと〜!

 am11:00
ずっしりと重たいザックを背負って、いざ出発〜!
ドンドコドンドコ♪

 ガサガサっ!!
歩きはじめて数分のところでリスを発見しました。
逃げないうちに写真に撮らなきゃと焦った結果ブレブレです....しょぼん。

 リスのごはんを横取り〜!笑
歩きはじめてすぐに動物に会えて気分はホックホクです。

 スタート直後はフラットな道を沢に沿ってじゃりじゃりと小石を鳴らしながら歩きます。
向こうに見える鳳凰三山の稜線はまだまだ上だなぁ。
ドンドコ沢コースは鳳凰小屋までの標高差が1400mあり、なかなか急登なコースです。
このダムを過ぎたあたりから樹林の中に入り、ぐいぐいと標高を稼いで行きます。

 登山道脇にマムシグサ。
実を赤くしてポロポロとこぼして、毒々しいトウモロコシのようです。
気持ち悪いけど気になってじっくり見ちゃうやつですね。


 ドンドコ沢コースは“沢”と名の付く通り沢に沿うコースで、幾つか渡渉する箇所があります。
そして南精進ヶ滝・鳳凰ノ滝・五色滝など、滝めぐりができるコースでもあります。
最初の樹林に入る砂地部分がちょっとわかりにくいからか、岩にマーキングがたくさんありました。

途中にある滝展望台までは、こんな道がつづら折れでジワジワずーっと続きます。
“全然アルプス感ないじゃーん!”そんなマジックアワーのはじまりです。
ゴール間近にならないと森林限界に達しない、それが南アルプス。
さぁ頑張って行きましょう〜!!

ドンドコ沢コースの紅葉は始まったばかりと行った感じで、これからもっと良くなりそう。


まだそんなに登っていないのにお腹ペコペコ〜。
いそいそと大好物のクリフバーチョコレートアーモンドファッジを取り出してパクり!
1個68gあって少し重たいんだけど、このズッシリ感がたまらない。
普段よりキツい登山が予想される場合は必ず持って行くスペシャル行動食です!

所々で滝を見ることができるし、渡渉する箇所があるので、その都度ちょこっと足を休めながら。
流れ落ちる滝からの水しぶき混じりの爽やかな風が気持ちいい〜

スタートから約1時間。
展望台分岐までやってきました。

滝めぐりがしたくてドンドコ沢を選んだようなものなので、滝展望台を経由して行くことにしました。
せっかくだから全部の滝を鑑賞しようじゃないか〜。
というか、展望の無い樹林帯が延々と続くんだもの...滝くらい楽しまないと!

こちらの道は思わぬ露岩ありの急登〜!
ザックの重さが膝と腿に染みます....笑

pm12:20
南精進ヶ滝
思っていたよりも落差のある立派な滝です〜!
2段目が扇状に広がっていて美しい!!

「はぁ、キツい...南精進ヶ滝は経由しなくてもいい所だから巻いて行こう...。」
って言って見ないで登っちゃう方も何名かいらっしゃいましたが、どっちにせよ辛いことに変わりはないので(笑)どうせなら見て行きましょ〜♪


pm13:05
鳳凰の滝
両岸から滝がぶつかり合って豪快!
登山道から河原まで下りないと両方の滝を見る事が出来ないので、ぜひ下りてみて下さい〜!

滝を見るのはいいけれど、その都度河原に下りて行くので登り返しが足にくる〜!
先を行く師匠が早すぎて....ヒィ。
息も切れず、汗もそんなにかいてないし飄々と.......魔物だ、魔物がいる。

わたしはというと、写真を撮るといいながらちょこちょこ足を止めてます。
もはや写真を撮ってるフリです。笑


暑いよ、汗だっくだくだよ〜!!
重たくてしかたない足を、一歩一歩のそのそと動かして行く。
どうしてもしんどくて動けなくなったらグーっと伸びをしながら上を見上げてみる。
色付きはじめた葉っぱが鮮やかで、パワーを分けてくれるようです。

 ぶぇぇぇ、やっぱダメ〜。
もう疲れ切って大福にピントすら合わせられません。笑
いつもより行動食を多めに食べております。


pm14:00
白糸滝
名前から、水しぶきの少ない静かな滝を想像していたのですが結構な水量にびっくり!
さすが南アルプス。
南アルプスの天然水が商品化されるだけあって、水が豊富だなぁ。笑

白糸滝から次の五色滝までは傾斜が増し増し。
ここが1番キツかったかも。
登山靴を脱いでしまいたいくらい足がおーもーたーいー!

ゆらゆら揺れるサルオガセ。
今のわたしは、うなだれてきっとあんな感じ。笑

こんな感じで細いところもあります。
ジグザグジグザグ代わり映えしない急登を登るより、こんな多少気を使う道や岩場のほうが気が紛れて楽に感じる。
もう最後までこのままであってくれ〜!!

そんな願いは届くはずも無く...。
岩場はすぐに終わりを告げ、またひたすらジグザグ地獄。
“あの尾根まで上がれば楽になる”って何度も言い聞かせながら登るけど、登りきると次の急登が待っている。

 深くて広い森の中。
南アルプスの森は樹林帯が長いし疲れるけど、そのおかげで色々な植物の表情を見る事が出来るのが魅力。
標高が低い1000mほどの麓でミズナラやブナの広葉樹がやさしく茂り、1700mくらいまで登ってくるとシラビソやコメツガの色白の針葉樹が密生しています。
そこにサルオガセが幽霊のようにホワ〜っと垂れて、鬱蒼とした雰囲気。

 怖々しい道案内にギョっとする.....と。

ぴーん!
『ほゎあぁぁぁっぁあああ〜!!?』
ちょっと待って、ストップすとっぷ!
右ふくらはぎがピーンと吊る直前まで張りつめた!
思わず立ち止まってピーンの波が去るのを待つ。

ふぅ、よし......ピーンは去った。
さぁ行くか。

ぴぴーん!!
『むゎぁぁぁ〜!今度は左〜っ?!』
こりゃダメだ、ちょっと休憩しよう。
塩分と水分を補給してふくらはぎモミモミ、なんとか行けそうです。
山を歩いていて足が吊りそうになったのは初めてでちょっと焦った一幕でした。

pm14:40
五色滝まで辿り着きました〜。
ドンドコ沢の滝めぐりはこれで最後になります。
滝までは少し距離があるので(片道10分くらいかな)、ザックをデポしてGO!

ザックが重すぎた分、デポして重さから解放されたわたしの体はバランスがおかしくなってる!笑
急に羽が生えたみたいに軽くなったからフラフラする〜!笑

ふわふわ歩きながら五色滝へ。
段々と空気が冷たくなり風が強くなり、樹々の隙間から大きな滝が見えてきました。

五色滝はドンドコ沢の滝の中で唯一、直下まで下りることができる滝。
せっかくだから滝壺まで見に行ったけど、滝の風と水しぶきが凄すぎてすぐさま撤退〜!笑
ちょっと鑑賞しただけで髪の毛がシットリ、そして風でボッサボサ。
なにより冷える.....寒い〜!!!
夏はシャワーが気持ちいいんだろうなぁと思います。
(そしてこのあたりから全景を見るのが1番だと思ったよ。笑)

滝シャワーで冷えたわたしは再びザックを背負いなおして出発。
ズシっとさっきまでよりも重みが増したように感じる.......
ぐぅぅ...小屋まであと少し、頑張れわたしのフクラハギっ!!

「あっ!薄らだけど見えてるよ。」
って師匠が言うから振り向いてみれば富士山がヒョッコリ。
南アルプスから見る富士山は近いね〜


登山道に徐々に白砂が混じってきたよ。
こうなってくると、鳳凰小屋までの登りももうすぐ終わるサイン。

 ふぅふぅ、少し開けた場所に出ました。
やっと地蔵岳のオベリスクがしっかりと確認できました!!
オベ様.....オベリスク様....まだまだ遠いね。泣

 この河原歩きがドンドコ沢で1番気持ちよくて平和だったところ。
急に足元が白砂地になり、それが足に柔らかくて癒される〜
フラットだから本当に天国だった。

まだまだ樹々の背が高いなぁ。
こんなに登ってるのにいつまでも森林限界にならないなぁ.....。
なんて思っていたけど、ここでハッと思い出した。

ここは南アルプス、森林限界は2600〜2700m付近から。
おやおや?待て待て...鳳凰小屋の標高は
........2400m!!!
本日は森林限界致しません!!!!!

 そうだった、ここは南アルプス。
長い樹林帯がチャームポイントの味わい深い山域だった。
うぅ.....北アルプスが恋しいよぉ。
北アルプスだったらもう森林限界を超えてごほうびゾーンに突入しているはずだもん。

 足元にもまだまだ苔たちが元気いっぱいで。
周りをぐるっと見渡しても、どこもかしこも樹々が生い茂ってる。
「ごほうびゾーンなんてまだまだ遥か先だぜ!」と言われているみたい。

森林限界のご褒美はまだまだ先だとしても、急登から解放されてホっとしたぁ〜
半泣きになりながら師匠のあとをもそもそついて行く。
お、師匠の向こう側が明るいぞ....
もしかして、もしかして、もしかして!!!

  pm15:30
つ....ついたぁぁぁぁああぁ〜!!!!!
くったくたの、くったくたです。
今までにこんなに疲れた登りは経験したことがないと思うほどキツかった。

20kgっていう重さはこんなにも体力に響くのね。
.....というか、師匠の足の速さがわたしの体力を削っていた気がする。
基本コースタイム5時間30分のところ、20kg背負って1時間巻きで歩いた自分を褒めてあげたい。
本気でふくらはぎが破裂するんじゃないかと思った......。
体力も筋力も足りなすぎて困ったもんです。
重たいのは嫌いです〜。

 アットホームな雰囲気がとても落ち着く素敵な小屋。
焼べられた薪のパチパチと弾ける音と焦げた匂い。

 外ではアコースティックギターと、オカリナの優しくて切なげな音色。
選曲は“津軽海峡冬景色”
.......染みるねぇ。
(↓pcからだと聴けるかも...)
video

 贅沢な生演奏に癒されながらテント場の受付を済ませます。
思ったほど混んでいなくてホっとひと安心。
まだまだ余裕で張れちゃいますね。

 本日のマイホーム。
汗でビッチョビチョになった手ぬぐいとTシャツを可能な限り乾かしたい。
鳳凰小屋のテン場は砂が柔らかくてペグがスーっと入ります。
どこもかしこもフラットで綺麗に整地されているので楽々快適です〜!

 鳳凰小屋の水場は冬でも枯れることが無いほど豊富です。
キンキンに冷えた冷たい水をたーっぷり補給。
喉が渇いたからって一気に飲むと、かき氷を食べて頭がキーンとするみたいにヒャーンとするから一気飲みには注意です。

マイホームを建てて、水を汲んで。
鳳凰小屋は稜線にあるわけではないので、夕暮れまでゆっくり景色を楽しめるわけでもなく。
........早速やることがなくなってしまいました。笑
だけどそれが樹林帯テン場のいいところ。
じーっくりゆーっくりのーんびり、山時間を過ごせるのです。
外の音楽に耳を傾けながら道中ピーンとなったふくらはぎを労り、もりもりおやつを食べたりゴロゴロしたり....してるうちにお昼寝してたり。
自由気侭な贅沢山時間です。

 pm17:30
さぁさぁ夜ごはんを食べましょう〜!
メニューは焼きそばです。
切り干し大根を入れて量増し、そしてなぜかワカメが入っているけれど.....。笑
焼きそばとビールが最高の組み合わせ〜♡
(気温が下がってきたのでビールが寒いですとは言いません。)

食事が終わる頃には辺りは真っ暗。
今日の疲れもあるし、トイレを済ませて早々に寝よう。
鳳凰小屋のトイレはバイオトイレでとても綺麗でした〜。
山のトイレは誰かひとりがマナー違反をすると、どんどん汚くなってしまうのでひとりひとり丁寧に用を足して欲しいなと思います。
みんなで守ろう山の快適トイレライフ〜!!笑

真っ暗になったテン場で特に気をつけないといけないのは、他の住宅のペグやロープに引っかからないこと。笑
足をひっかけて倒壊させてしまったら大問題。
ホロ酔い状態でも足元しっかり注意しましょ〜

 トイレがてら小屋を覗くと、コタツに集まる登山者たちの楽しそうな姿が。
小屋泊の楽しみってこういうのだよねぇ。
きっとみんなの足と足がコタツの中で押し合いへし合いしてるんだろうなぁ。笑
テン泊ものんびり気ままで好きだけど、小屋泊の和気あいあい感も大好き。
あの輪に入りたいなぁ....と小屋周りを不審者の如くソワソワウロウロしましたが、大人しくマイホームへと帰還しました。

シュラフにもぐり込んで、自分の体温でぬくぬくになるのをジッと待つ。
頭まですっぽり埋まってあっという間に夢の中。
ドンドコ沢の急登の疲労もあってか、朝まで一度も目覚めることなくグッスリでした。
10月だから結構寒いだろうなぁと身構えていたけどこの日は暖かかったようで、mont-bell アルパイン ダウンハガー800 #2 とシュラフカバーで眠りました。
ダウン&ダウンパンツは着込まずで大丈夫でした。
自分の呼吸の熱と外気温の冷たさの差で、朝起きると口元付近のシュラフが濡れているのはわたしだけ?鼻息荒いのかな.....笑

さぁ、明日は明日で距離があるぞ!
地蔵岳のオベリスクと忘れ去られた稜線と言われる早川尾根.......たのしみだなぁ〜


2日目へ続く
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コースタイム
青木鉱泉(11:00)---滝展望台分岐(12:15)---南精進ヶ滝(12:20)---鳳凰の滝(13:05)---白糸滝(14:00)---五色滝---(14:40)---鳳凰小屋(15:30)
※休憩時間含め、4時間30分

アクセス
行き/中央本線:韮崎駅から山梨中央交通バスにて青木鉱泉
帰り/バス:広河原〜甲府駅(南アルプス市営バス

○今回のやまのぼりアイテム



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